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高橋君の講演

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 高校1年生にとって,向こう3年間をどのように過ごすかを真剣に考えることは,非常に大切です。まして,心身の発達の違いを考えると,中学の延長で勉強し,中学の延長で過ごしては,3年間はあまりにも勿体ないような気がします。そこで,オリエンテーション合宿は「高校はどういう時期か」「勉強する意味は何なのか」「どのように勉強を進めていけばいいのか」をテーマにしてはじめました。
 今回,さらにこのテーマを掘り下げてみようと,この度,シャープ(株)に勤務され,AV機器開発に携わっておられる高橋雅史君(87年卒)に,社会人の目を通した高校生活について語っていただきました。

20070502takahashi.jpg 高橋君は,高校1年G組の生徒諸君に,
「授業を受けるだけが学校ではありません、友人や先生と一緒に過ごし、コミニケーション能力を身につける場所でもあります。自分の考えをしっかり持って物事を理解していくそのためには沢山の人とコミニケーションを取ることが大切(パズルを組み立てるように理解する)だと思います。(中略)理解し自分の考えを相手にわかりやすく説明できるようにそして相手の考えも自分とは異なっていても尊重出来るように訓練する場が学校です。」と訴えました。また,インターネットは勉強や研究、仕事をしていく上で強力な道具であるとも話されました。

昨年度も,尾方君(現阪大教授)に語ってもらったときもそうでしたが,高橋君の話を聞き,また生徒が彼に質問するのを見ながら,私は,なぜか,メタセコイアの生い茂る情景を思い浮かべていました。それは,校舎をも凌ぐメタセコイアが語らずとも教える何かと彼の伝えようとする思いが似ていたのかも知れません。初代校長・板倉操平は,教育は「教師の胸の内に燃えさかる火を生徒一人ひとりに点ずる仕事」と説きましたが,今日の高橋君の思いはまさに語らずとも教える学園の魂(スピリッツ)そのものだったと感じます。無形の財産をもらった彼等は,これから3年間,怒濤の時代といわれる艱難辛苦の道を歩まなければなりませんが,大丈夫,きっと,あのメタセコイアのように大きく伸びてくれるものと期待しています。