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京大二次 英語の対策(その2)

 昨日の続きです。京大の長文読解問題に対処するにはもう一つの努力が必要です。また、このことがよくできていれば、問題文を読む時に、語彙を少々多く知っているよりも遙かに有効な力になるのです。それは・・・


③書かれていることに対する予備知識があり、似たようなテーマについてどこかで読んだ経験がある

 以前、私はサッカーの国際試合後の記者会見で、おもしろい光景を目にしました。場所は神戸の御崎球技場、つまり現在のウイングスタジアムです。フランスのチームと日本のチームの試合後のことです。 通訳にきた女性は、フランスの選手たちとの雑談の間は実に流暢なフランス語を駆使し、その能力の高さを誇示していたのですが、記者会見が始まり、ゲームの展開や審判のジャッジを巡る質問が出始めると急に言葉に詰まり、最後は「私にはできません」と言ってうつむいてしまいました。
 つまりその通訳の女性はいかにフランス語に堪能でもサッカーの知識が全くなかったため、通訳ができなかったのです。 逆に言葉は少々たどたどしくてもサッカーを知っている通訳なら、あの程度の記者会見は難なくこなしたでしょう。
 このことが長文読解にもあてはまるのです。京大の長文は哲学、科学、社会学、言語などに関する論説文で、抽象的な表現も多く、難度の高いものです。出題されてるテーマに関係する予備知識が無ければ、きっと苦戦するものと思われます。逆に語彙力がややついていかなくても、内容に親しみがあればかなりの類推がきくものです。
 ではどうするか。私は京大を目指す人には、学校のテキスト以外の本を読むことをお勧めします。いきなり高度な内容を持つものを読むのは、たとえ日本語でも苦痛になります。今日は日本語で読め、かつ興味深く書かれていて、京大入試に向けての今後の蓄積の基礎となるようなものを推薦します。

①「17歳のための世界と日本の見方」 松岡正剛 (春秋社)
②「ソフィーの世界・・・哲学者からの不思議な手紙」 ヨースタイン・ゴルデル (訳)池田香代子
                               (NHK出版)
③「文学部唯野教授」 筒井康隆 (岩波書店)

 ②と③は自分の息子にも高校2年で読ませたものです。①はその時点ではまだ出版されておらず、もしその当時出版されていれば、間違いなく読ませていた本です。ほかにも読むべき本はたくさんあります。これだけ読めば大丈夫と言っているわけでも決してありません。でも、何から読んだらいいか迷う場合は上記の一冊を手にとってください。

 明日は英作文への対処法を書くことにします。
                                     (文責:田畑保行)