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いよいよ「大学入試センター試験」 続き

後期日程廃止の影響

今春の入試においての影響を見ると
 東北大、名古屋大、京都大で後期日程を廃止した学部は、名古屋大教育学部を除いて、いずれも前期日程の募集人員を増やしており、前年比10%~20%増のところが多いです。これに対して志願者数は数%の増加にとどまっていますが、東北大(歯)、名古屋大(経済)、京都大(法・理)のように減少している学部もあります。合格者数は募集人員に比例して増えているため、実質倍率はほとんどの学部で下がっています。

☆ では、これらの大学の前期日程は易しくなったのでしょうか?
 京都大学の場合…受験者・合格者の成績分布も前年とほとんど違いがありません。やはり、京大ともなると募集人員が増えたからと言って、他大学から流れてくる受験生は少ないようです。偏差値57.5~62.5の層の合格者がわずかに昨年より増えており、昨年までであれば前期不合格→後期合格となっていた層が募集人員が増えた分、今春は前期日程で合格になったということでしょう。難易度には変化がないと考えられます。
 名古屋大学の場合…受験者の成績分布では偏差値57.5~67.5にかけての上位層と、45.0~52.5の下位層の2層に分かれて増加しています。上位層については、前年度、「京大や東大の前期→名大の後期」と受験していた層が、名大の後期廃止で前期日程から出願してきたのでしょう。名大の場合も前後期通算で考えると難易度に変化なしといえるようです。

☆ 周辺の大学への影響は
 京大(工)前期との併願者が増加した阪大(工)の後期は5学科中3学科がランクアップし、神大(工)の後期も6学科中4学科がランクアップして、大変厳しい入試となりました。また、こうした大学の難化を予想して、志願者の流失も生じています。大阪市立大(工)の後期には大阪大や神戸大の志願者が増加し、10学科中4学科がランクアップしました。

河合塾教育改革ingより

 08年度入試においても、上記のような流れは避けられないでしょう。07年度はセンター試験の平均点が低かったことも「後期は安全校」でという流れになったようです。今後は模擬試験による志望校分析の動向などに十分注意して、前期・後期の志望校を決定しましょう。