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学校基本調査

 文部科学省の行う調査に「学校基本調査」というものがあります。非常に大掛かりな調査で、小学校から大学までのすべての教育機関に対して、生徒数、教員数、卒業生の進路などの基本事項について、文部科学省が毎年5月1日現在までを調査したもので、速報版が8月、確定版が12月に発表されるものです。お役所仕事とはいえ、随分とのんびりしたお仕事ぶりですが、その分だけデータは正確なはずです。その速報版の紹介をすることにしましょう。、
 先ず一番気になる「全入時代」に関することですが、文部科学省はその到来は数年先になるものと推測しています。今年度の大学・短期大学の全志願者数は77万9千人で、前年比1.7%増、入学者は0.6%増の66万9千人、入学収容力は89.7%となっています。これは文部科学省の諮問機関である中教審が、志願者は年に約5~6万人ずつ減るという予測で試算していたものが、現役進学率51.2%、浪人を含めた進学率でも53.7%と過去最高を更新したことがその大きな理由のようです。その背景は「景気回復で家計に余裕ができたことと、少子化による親の進学志向の変化では」との分析です。予測が大きくはずれたためか、試算の見直しは行わないそうです。
 現役進学率51.2%、浪人を含めた進学率でも53.7%で過去最高と先ほど触れましたが、今回の学校基本調査で過去最高を記録したものをいくつか拾ってみます。

・ 高等学校卒業者の大学・短大等への進学率: 51.2%
                         (前年より1.9上昇)
・ 大学・短大進学率(過年度高卒者等を含む): 53.7%
                         (前年より1.4上昇)
・ 大学(学部)への進学率:         47.2%
                       (前年より1.7上昇)
・ 大学(大学院を含む)の総学生数に占める女子学生の比率: 39.8%
                       (前年より0.4上昇)
・ 学部の学生数:              251万4千人
                       (前年度より9千人増加)
・ 学部の女子学生数:            102万4千人
                       (前年度より1万2千人増加)
・ 大学院の学生数:             26万2千人
                        (前年度より1千人増加)
・ 大学院の女子学生数::           8万人
                          (前年度より1千人増加)

 こうして並べてみると、一番目立っているのは女子でしょう。予測を大きくはずれさせた大きな要因は、どうやら女子の躍進のせいのようです。

 文責:  山本正彦