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キャリア教育(2)

 本校での進路指導部を中心に実施している取り組みを紹介します。
 中学一年生
夏休みを利用して「生い立ちの記」を執筆します。
これは、保護者の協力を得て、誕生から中学1年生までの自分史作りです。「誕生」「幼児期」「幼稚園・保育所のころ」「小学校低学年「小学校中学年」「小学校高学年」「中学生になって」というような項目に分けて書きます。具体的には「名前の由来」「初めてしゃべった言葉」「弟や妹の誕生」「運動会などの行事」・・などです。全体で原稿用紙(400字詰め)15枚程度の作品が仕上がります。
今年の生徒たちの「あとがき」を読むと、「いろんな人に支えられて大きくなったと思った」「小さい頃の話を聞くのは意外と楽しかった」と、ふだん作文が大嫌いな生徒たちも、「あとがき」までたどりついた時には達成感で満足していたようです。
中学二年生
保護者に「職業インタビュー」をして、文章にまとめます。
最近は、保護者の氏名・年齢(生年月日)・職業(勤務先の名称)といった事がらをきっちりと記述できない生徒もけっこういます。
今日の中学1年生の教室でのことです。先日の加古川での小学生の痛ましい事件のことを話題にしましたら、まったく知らないという生徒が少なからずいました。昔に比べて、親も子も多忙ではあるでしょうが、家庭内での親子のコミュニケーションのなさを感じます。「生い立ちの記」もそうですが、まずは家庭でのコミュニケーションが大切だと思います。3月に「わたしのしごと館」に校外学習に行きます。
中学三年生
この「進路のへや」でも、何度か掲載しましたが、「職業人インタビュー」を実施します。今年は、29の職種の方々の所へ夏休みにインタビューに伺いました。単にインタビューだけでなく、「生徒自らがアポイントメントをとる」ことを重視しています。現在の生徒たちはコミュニケーション能力が育っていません。インタビューは3~5人のグループなので、心強いようですが、アポイントの電話は一人でかけなければならないので、班長はとても緊張するようです。生まれて初めて見ず知らずの大人の方に電話する体験です。
「インタビュー」では、単に職業のことでなく、「プロとしてのありよう」「人生について」教えていただくことが多く、生徒たちは感動して帰ってきます。事後アンケートの「インタビューはどうでしたか」の解答で「よかった」が毎年99%に達しています。
卒業時に、一年生で執筆した「生い立ちの記」に、中学生になってから記した文章を加え、パソコンで活字化して、「世界で一冊」の本作りをします。