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キャリア教育(最終)

 キャリア教育の取り組みを紹介してきましたが、現在、もっとも急ぐべきことは生徒のコミュニケーション能力の育成だと考えます。
「褻晴れ」のけじめという言葉がありますが、昨今「褻」と「晴れ」が混迷した世の中になってきました。「褻」の場面での若者たちのコミュニケーションは活発です。メールでは、今までにない表記法や絵文字が取り入れられ、「新しい文体の創造」と評価する評論家もいて、読み物としてはなかなか楽しいです。また、仲間内でのおしゃべりは、際限なく繰り広げられます。しかし、「晴れ」となると、書けない・話せない。家庭における「お友達」の親子関係を考えると、学校教育の中でのコミュニケーション能力の育成は急務だと思います。そして、それは「職業人インタビュー」などの企画物のみならず、各教科学習の中で意識されることで実を結ぶのだと思います。
 以前、卒業生が語ってくれました。彼女は、大学に指定校推薦で合格し、入学当初、自分は学力的に劣るのではないかと随分不安だったそうです。しかし、すぐにその不安は吹っ飛んだそうです。中高校での体験・・・・・教科での調べ学習・PCを使ったレポート作成・パワーポイントでの発表会・修学旅行など各種行事の企画運営・・・すべて大学での研究に役立ったとのことでした。
 教科・分掌にとらわれない全学的な取り組みがキャリア教育推進の鍵と言えるでしょう。