« 全国模試に見る私立大学 志望概況 | メイン | 成功者列伝 5  包丁一本サラシに巻いて »

私立大の学部学科の新設・改組と志望動向

2007年度入試に引き続き、私立大では学部・学科の新設・改組が相次ぎます。一般に新設・改組の学部・学科には志願者が増える傾向にありますので、全体の動向と併せて注意する必要がありそうです。2008年度入試においては、特に首都圏、近畿地区の難関私立大において、学部・学科の新設・改組が行われますので。今回ははその特徴的な動きについて。

1.理工系の学部では、2007年度入試に引き続き、大規模な新設・改組が行われる
 私立大の理工系学部では、2007年度入試に引き続き、大規模な新設・改組を実施する大学が多くなっている。関西では同志社大学工学部が理工学部と生命医科学部に改組、立命館大学に生命科学部が新設される。
ここ最近、理工系の学部は不人気傾向であるが、2007年度入試に新設・改組を行った早稲田大と関西大の理工学系学部において志願者数が大幅に増加した。法政大は、前年のデザイン工学部の新設に引き続き、工学部の改組が予定されており、今回の模試の動向においても、志望者数が増加している。
一方、“医学と工学”や“医学と理学”など医学に関連した学部・学科の新設も引き続き行われており、2008年度入試においては、法政大に生命科学部や、同志社大に生命医科学部が新設される

2.新設の薬学系統の志望状況
 不人気傾向が続く薬学系統であるが、2008年度入試においては、慶応大が共立薬大と統合し、立命館大で薬学部が新設されるため注目されている。なかでも、慶応大・薬の志望者数は、前年の共立薬大時代の志望者数の2倍に増加しており、その人気がうかがえる。主な併願先から想定される受験者層を確認しておきたい。
模試動向では薬学系統志望者数の減少には歯止めがかかった。特に高難易の大学において志望者数が増加している。一方、低難易の大学においては志望者数が減少しており、難易度による二極化がみられている。
3.その他の学部・学科新設の動き
 理工学系統、薬学系統以外でも、首都圏、近畿地区の難関私立大中心に、多くの学部・学科が新設される。関関同立では関西学院大学の人間福祉学部。模擬試験ではここを志望校にあげている人は甲南大学文学部、関西大社会学部、龍谷大社会学部を併願先としている人が多いようです。