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数学雑学2

 高校3年生の諸君、あと1週間で卒業式ですね。風邪に気をつけて受験頑張ってください。
 
 昨日に引き続き、今日は細かい「単位」の話をしましょう。国際単位系(SI)は、基本単位7個と、基本単位を組み合わせて作る組立単位、そして、10の倍量・分量を表すSI接頭語からできています。
 基本単位は、①長さを表す「メートル(m)」、②質量を表す「キログラム(kg)」、③時間を表す「秒(s)」、④電流を表す「アンペア(A)」、⑤熱力学的温度を表す「ケルビン(K)」、⑥物質量を表す「モル(mol)」、⑦光度を表す「カンデラ(cd)」の7個です。
 それぞれの定義は難しい(訳分からないものもあります)ですが、①の「メートル」は、1/299,792,458秒の時間に光が真空中に伝わる行程の長さです。②の「キログラム」は、重量でもない力でもない質量の単位であって、国際キログラム原器の質量に等しい。グラムではなくキログラムなのは、グラムの原器が小さすぎて、キログラムの原器の方が大きさ的にちょうど良かったようです。③の「秒」は、セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間です。④の「アンペア」は、真空中に1メートルの間隔で平行に置いた無限に小さい円形断面積を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれの流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに2×10の-7乗ニュートンの力を及ぼし合う不変の電流です。⑤の「ケルビン」は、水の三重点(液相の水と固相の水(氷)と気相の水(水蒸気)とが平衡状態を保って共存する点)の熱力学的温度(つまり0℃)の1/273.16です。⑥の「モル」は、0.012キログラムの炭素12の中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子または要素粒子の集合体(組成が明確にされたものに限る)で構成された系の物質量とし、要素粒子または要素粒子の集合体を特定して使用する、とされています。⑦の「カンデラ」は、周波数540×10の12乗ヘルツの単位放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度です。
 難しいですね。次回は「組立単位」についてです。