記憶をよくする方法
新型インフルエンザで休校になった今週は、生徒の皆さんにとって、今まで学習したことを整理して定期考査に備えるチャンスです。
よく「記憶」よりも「創造」が大切だといわれますが、物事を知っていないと創造もできません。
英語の単語も覚えていないと、英文も読めなければ、会話もできないのと同じです。
つまり、記憶することが先ず学習のスタートといえます。
そこで、本日は第一弾として、「記憶をよくする方法」をお伝えします。
その前に、チョット、記憶と脳について、お話します。
記憶には、「身体記憶」とか「手続き記憶」といって、自転車の乗り方のように身体で覚える記憶と、「陳述記憶」といって出来事や意味等の知識の記憶があります。
前者は主に小脳(神経細胞が1000億)で行われ、後者は大脳(神経細胞が140億)で行われます。この大脳記憶にも、短期記憶(数秒~数分)、近時記憶(数時間~1週間)、長期記憶(数ヶ月~ずっと忘れない)があり、一夜漬けの勉強は近時記憶。これを反復学習することで、長期記憶となります。短期・近時記憶は「海馬」でプールされ、何度も繰り返されたり、整理統合されると、大脳へ行って長期記憶となります。長期記憶にすると、大学入試でも、入社試験でももう安心。
ややこしい、話はこれぐらいにして、
記憶をよくする方法としては、個人差はありますが、次のような方法を留意して勉強すると記憶力がアップすると思います。
当たり前のことであり、いろんな先生方から言われていることと思いますが、次のようなことをちょっと意識して学習してみてください。
(1)精神を集中させること。できれば何でも知ってやろうというように、好奇心をもって臨むと効果が上がります。”ながら勉強”は一切禁止。人間の精神は眼と同じで、一つのことしか正確には受容できないのです。
(2)目、耳、口、手など体を使って覚えると、1つのことの記憶に使う神経細胞が多くなるほど身につきやすい。
(3)覚え方を工夫しよう。語呂合わせをしたり、その事項に関連づけながら覚えると、忘れにくいし、思い出しやすい。(統合させると長期記憶になりやすい)
(4)反復する。何回も連続して暗記しようとするよりも、断続的に反復する方が効果が上がる。(海馬に同じ情報が入ってくるから、これは重要だと海馬が思い、近時記憶から長期記憶になる。)
(5)記憶しようとするときに、記憶が劣っていると思うな。『無理だろうなぁ』と思いながらやると、抑制作用が働き、学んだことは身についていない。
(6)睡眠は適当にとり、真夜中に覚えることはダメ。睡眠は記憶を整理する時間です。
実際、簡単に記憶できる方法はありません。
集中力と継続力が、学力を高めるのです。
人々に1日24時間、均等に、天は時間を与えてくれています。
要はそれを、どのように使うかなのです。