勉強方法シリーズ (2)
[2] 記憶とは
記憶には、短期記憶(意識)と長期記憶(脳に貯蔵された潜在意識)がある。短期記憶は、容量が小さい。短期記憶のうち海馬(右図タツノオトシゴのように見える脳の部分)で必要と認められた情報だけが、長期記憶となる。海馬での情報の必要性の審査は、約1ヶ月かかる。したがって、学んだことを知識として残しておきたいのなら、その情報が「生きていくのに必要な情報だ」と海馬に思わせるしかない。それは、1ヶ月の間に何回もその情報を送り込む(何度も復習する)か、ドキッとして(意欲を持って、一度にいろんな神経回路を使って、集中して、)生命に関わる情報だと思わせる学習以外にない。
脳はそもそも覚えるよりも忘れることを得意としている。特に、短期記憶は忘れるように作られているので、学んでも忘れるのは当然。忘れる以上に学び続けるか、忘れにくい学び方をするしかない。学習とは繰り返しである。毎日、学び続ける習慣が重要です。
<成績がよい人は、忘れても忘れてもめげずに、海馬に繰り返し繰り返し情報を送り続ける努力家に他ならない。>
* 一度しっかりと記憶した情報(長期記憶)は、忘れたようでも無意識に脳に蓄えられている。以前にしっかり学習をした科目は、忘れたようでも以前よりすんなりと思い出し、容易に修得できる。低学年でも、その教科をどれほどしっかり取り組んだかが、高学年での学習の成果に影響する。「一夜漬け」勉強は、短期記憶なので、身についていない。
<低学年のときからしっかり学べば、それだけ長期記憶が蓄えられている>
今学習することで、将来いかなる分野に進もうと、知識だけでなく、学び方が身についているので、役立つことでしょう。
【少にして学べば、壮にして、なすことあり】(佐藤一斉)
* レミニセンス効果を生かそう。身につけたばかりの新しい知識よりも、脳の中でじっくりねかせた知識のほうが脳にとって利用しやすい知識となる現象をレミニセンス効果という。直前に覚えた知識より、数日たった知識のほうが整理されていて、利用しやすい記憶になっている。 <試験勉強は、直前よりも数日前にやった方が応用力は増す。>