« 勉強方法シリーズ (5) | メイン | 勉強方法シリーズ (7) »

勉強方法シリーズ (6)

[3] 脳の研究から考えられる合理的学習方法とは?-4つめのポイント-
(4)スモール・ステップ&パーフェクト・マスターで行こう。
①スモール・ステップ法
 急がば回れ。いくら遠回りに感じられても、きちんと学習手順を踏んだほうが、結果的には学習効果がアップする。いきなり高度なことに手を出しても、だめ。しっかりと基礎から身につけてから、少しずつ難易度を上げていく方法が学習効果をあげる。
【何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな。】(ゲーテ)

<解らないところは、解るところまで戻ってやればよい。自分の弱点を知ること、達成しやすい小さな目標を持って進んでいくが成功する秘訣>
<わかるとは「分かる」とも書く。わかったものとわからないものとを分けられることこそ「わかった」である。スモール・ステップ&パーフェクト・マスターが最善最短の学習法。
<学習して成果を上げるのは、レンガを積んで、家を建てるようなもの。一歩一歩着実に>
<ヤル気がないとき、先ずは、何よりも机に向かって勉強を始めてみること。すると、モチベーション(ヤル気)を生み出す脳の側坐核という場所が働き始め、勉強に集中できるようになる。これを心理学では「作業興奮」という。>
② 違いの大きなものを区別できるようになって初めて、違いの小さなものが区別できるようになる、細かい物事の差を知るためには、大きな物事を捉えて理解することから始めよ。歴史の学習も、先ずは、全体像をしっかり理解してから。全体から切り離された断片的知識は、役立たないし、無用な知識としてすぐに消えてしまう。知識は、できるだけ連合させておくのがよい。英単語だけを覚えるのではなく、例文や用法、語源などと関連させて覚えると、思いだす確率が増す。

③ まずは、得意科目から伸ばそう。
学習とは、物事の関連に気づくこと。関連づけないと、応用の利かない無用の知識になってしまう。そして、達成感がθ波をだす。得意な教科をやっていくとθ波が出て、集中力がアップする。その後、苦手な科目へ。勉強は好きなものから始め、嫌いなものへと移るとよい。
<ある分野の理解の仕方を覚えると、他の分野に対する理解の仕方が上達する>
これが、若いころに学習した人が、年をとっても賢い理由。これは、脳のしくみで言うと、理解の仕方を記憶しているのです。この理解の仕方を利用して、法則性や共通性を見つけ出し、他の対象をより早く、より深く理解できるようになる。これを「学習の転移」といい、「学習の転移」は、多くを記憶して使いこなされた脳ほど、さらに使える脳になる。なぜ若いうちに学習するかというと、大人になって役立つ、この「学習の転移」をつくるためです。

(注)恋する脳:「恋人ができたとたん、学校の成績が落ちるってほんと?」
恋愛とはある特定の異性に引かれる感情です。恋愛すると、それ以外の異性が目に入らなくなります。この場合は、必ず成績が下がります。世の中に何億という異性がいるのに、この人しかいないと思わせる恋愛感情とは、学習する脳に勘違いさせ、情報を遮断してでも満足感をあたえようとする本能中枢のはたらきによる。つまり、恋愛とは、相手以外のことを考えなく済むようにする脳がしくんだ仕掛けだから、相手以外のこと(勉強など)は、うわの空になってしまいます。
<恋愛するなとは言いませんが、恋愛する場合でも、客観的に物を見据える自制心が勉強には必要だと心得よ。>