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大阪府立大学 

現代システム科学域・環境学類 工藤 宏司 講師
「H2O」と「水」 何が同じで何が違うか?~「社会学」で「環境問題」を考える意味~
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 みなさんにとって「環境問題」というのはどんなイメージでしょうか。たとえば地球温暖化の問題。あるいは、大気汚染や海洋汚染の問題。もしかしたら、東日本大震災後の原発事故で漏れ出した放射性物質の汚染の問題を挙げる人もいるかもしれませんね。では「環境問題」をわたしたちが考えようとするときに、どんなアプローチができるでしょうか。このように聞くと、多くの方は化学や物理学、生物学など、自然科学を思い浮かべるのではないでしょうか。私は、僕は、文系だから、あんまり関係ないかな。そう思われる方もいるかもしれませんね。でも待ってください。本当にそうでしょうか。今回わたしがみなさんにお話ししたいのは、「環境問題」を考えるために必要な「文系」の知識についてです。少し結論めいたことを言うと、上にあげたような「環境問題」について考えようと思えば、理系の知識だけではなく、社会科学や人間科学といった「文系」的な知識も必要だと私たちは考えています。それはいったいどういうことでしょうか。わたしの専門である「社会学」の考え方についておはなししながら、みなさんと一緒にそのことを考えてみたいと思います。文系の方も、理系の方も、あるいは今、どちらに行こうかと迷っている方も、ぜひ聞いてみてください。手始めに、「H2O」と「水」との違いをどんなふうに言えそうか、から、考えてみることにしましょう。

(生徒感想文)
・オープン・キャンパスにも行き、もともと興味があって志望しているのですが、もっと府立大に行きたくなるお話しでした。とても興味のある内容で、社会学(心理学)を広い視野で学べる気がしました。普段考えないことを考えさせて下さり、とても関心を持ちました。

・物事には何にでも理由があるという考えが、自分の考えと共通する部分があったり、人々の価値観や偏見・先入観・伝統・教えなどによって、さまざまな考え方が存在することを実感した。本当に申し訳ない話だが授業を少し無視して考えてしまったのだが、授業中にでてきた「心」というのは、受講した半分の人が頭の中にあると言っていたが、「心」というのは何なのかという疑問がわいた。こういう疑問を生み出してくれた工藤先生に感謝したい。

・「社会学」とは難しそうだなあと思っていたけれど、話を聞けば聞くほど面白くて、興味をもった。人間と人間との間の規則性がある。それを考えるのが社会学である。アタリマエのことには理由がある。社会学とは何かということがよくわかった。話も分かりやすくて新たな観点を見つけることができた。受講してよかったと思った。視野が広がった。

・「社会学」というのは不思議な学問だと思いました。一つのものにもいろいろな見方がありそれにはすべて理由があり、必要に応じているのだと思いました。「外向き」の規則性は今まで考えたこともなかったので、新しい考え方ができてよかったと思います。

・日常のテーマから深く考えるものだったので、疑問はそこらじゅうにあることに気付きました。あたりまえのことをなぜかと考える面白さもわかりました。何が最も大事なのかを考え、社会問題について取り組むことが大切なのだと知りました。

・アタリマエのことの理由を考えるのは難しそうだと思いました。外向きの考え方や内向きな考え方、いろいろな視点から物事は考えられるのだと思いました。水・雪・湯…成分は同じだけれどよび方が異なるのは、分ける必要があるからだとおっしゃっているのを聞いて、そういえばそうだなあと思いました。