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図書館の歴史 ③

<日本編> 3 音読から黙読へ

明治にはいると新聞や雑誌が普及してきて、それらを読むため新聞縦覧所(有料だったり、無料だったり)が日本各地に生まれました。木版印刷から活版印刷になって印刷量も増え、ずいぶん読みやすくなります
そして当時の文部省が欧米の影響を受け、国立国会図書館の原型で日本初の国立公共図書館「書籍館」(しょじゃくかん)が誕生します(こちらは有料、結構高額)
資本主義の発達によって目立ってきた貧富の差をなくすために、下層の人々にも教育を、という政府の考えもあり各地で図書館設置の活動が始まりましたが、公立よりも私立図書館の方が多かったため、有料の所もありました

当時の読書スタイルですが、江戸~明治初期にかけては家族やグループで声に出して読む音読が一般的でした。しかも公共の空間でも。これは賑やかそうですね・・・
そこへ登場した図書館は、これまでとちがい「音読禁止」の規則を打ち出します。その影響か、以降、公共空間での音読もなくなっていったそうです。現在のように一人で静かに黙読するスタイルに変わってきました。ちなみに雑談・飲食禁止もこの頃からだそうです

その間、図書館単独の法律「図書館令」も公布、改定をされ1912年に図書館管理法が刊行。現在の図書館の基盤となる「図書館サービス」というものが提唱されたのもこの頃です。公立で無料開放、書庫の解放、児童閲覧室の設置、巡回文庫(図書館のない地区の人々のために定期的に本を運ぶ団体貸出のようなもの)など、図書館が新しい時代を迎えます


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  中学生の芥川龍之介も利用していたという当時の帝国図書館の様子
入口で閲覧料を払い入場。利用者は学生が7割、そして閲覧室は男女別でした