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直木賞・芥川賞決まる

第148回 直木賞・芥川賞の発表がありました

芥川賞は、黒田夏子さんの 「abさんご」
直木賞は、朝井リョウさんの「何者」(新潮社)、 安部龍太郎さんの「等伯」(日本経済新聞出版)の2作品

 黒田さんは「最年長75歳で受賞」ばかりが取り上げられていますが・・・「abさんご」は全文横書きで、句読点ではなく、. (ピリオド)と , (コンマ)を用い、固有名詞も片仮名も使わずに平仮名を多用した独特の文体スタイルの作品です。50代の親と思春期の子どもがいる家庭に家政婦が雇われたことで変化していく日常とその子どもの半生を描いたもの。雑誌・早稲田文学のフリーペーパー(WB vol.25)で、作品の冒頭部分が掲載されていて、ネットでも読むことができます

 安部さんの「等伯」は、桃山時代を代表する絵師、長谷川等伯の波乱の半生をたどった伝記歴史小説。上下巻の長編です

 一方、23歳の朝井リョウさんは、戦後、男性では最年少受賞者。早稲田大学在学中、「桐島、部活やめるってよ」(集英社)で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作や男子チアリーダー部を題材にした「チア男子」(集英社)など、図書室でもおなじみです
 卒業後も社会人として働きながら作家活動を続け、昨年は「桐島、・・・」が映画化。受賞作を含む3冊の小説と大学時代の体験をつづったエッセイ「学生時代にやらなくてもいい20のこと」(文藝春秋)も出版しました

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 「何者」は、就職活動の情報交換をきっかけに集まった5人の大学生の物語。どうして就職しなければならないのか、内定をもらうには何が必要なのか、など就活生の誰もがぶつかる悩みにくわえ、ネットやツイッターを使った現代の就活の様子を描いた青春小説です
 朝井さんは、子どもの頃から物語を書き続け、小学6年生ですでに文学賞に応募していたそうです。受賞インタビューでは「見たこと全部を小説に書くつもりで生きている」と話していました