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チョコレートの出てくるお話 2

「私たちはカーニバルの風に乗ってやってきた。
その二月の暖かい風には、露店のクレープやソーセージやワッフルの焦げたバターの匂いがたっぷりと含まれていた」
 そんな書き出しで始まる物語は、昨日に続き又、お腹が減ってきそうな作品です

ショコラ/ジョアン・ハリズ (角川書店)

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        ショコラとは、フランス語でチョコレートのこと     

 町から町へ旅を続けるヴィアンヌとアヌークはちょっと謎めいた母娘。2人は立ち寄ったフランスの田舎町が気に入り住むことを決めます。家を借りたヴァンヌが開いたのはチョコレート専門店。都会ならともかく保守的で閉鎖的な田舎町です。突然やって来てチョコレートの店を開いたよそ者が溶け込むのは難しい
 でも、ヴィアンヌは不思議な力を持っていて、やってくるお客さんの様子を見るだけで、今のその人にピッタリのチョコレートをふるまうことができるのです。そんなこまやかな心遣いと美味しいチョコレートに村人たちは心惹かれます
 一方、教会の司祭を筆頭に変化を嫌い、母娘を非難し毛嫌いする人もいて、村で対立が生まれます

 物語はヴィアンヌと司祭の両者が交互に語り手になって、それぞれの生い立ちも織り込まれ展開します。今まで外からの風を受け入れずカタブツだった村が、チョコレートの香りで解きほぐされていく、ちょっと大人のファンタジーです

 こちらも、仏人女優・ジュリエット・ビノシュとジョニー・デップ(大好きな人、多いですよね!)で映画化されました