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チョコレートの出てくるお話

 明後日はバレンタインデーです
 そこで今日はチョコレートにちなんだ小説の紹介です

チョコレート・アンダーグラウンド/アレックスス・シアラー(求龍堂)

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右の美味しそうな表紙は原書。 原題「BOOTLEG」は、訳者の金原端人さんによって邦題「チョコレート・アンダーグラウンド」とつけられました     

 1920年頃のアメリカで、お酒の製造や販売が禁止される「禁酒法」という法律がありましたが、これはそのチョコレート版です
 今回の選挙で勝利を収めた「健康健全党」が、掲げたのは『チョコレート禁止令』 街中にはチョコレート探知車が走り回り、チョコレートを持っているだけでチョコレート警察に捕まり、強制収容所送り。お店に並ぶのは健全チョコ(はきたくなるほどまずい!)ばかり、街中からチョコレートが消えてしまいます。
 本当にこれが「国民の健やかな暮らし」につながるのか?疑問を持った二人の少年・ハントリーとスマッシャー(チョコ大好き!)が動き出します。知り合いのお菓子屋・バビおばさんと一緒に、こっそりチョコレートを作り始めるのです。そして、防空壕を利用して「地下チョコバー」をはじめます。もちろんこっそり・・・。
 子ども達にも買える値段なので、お店は大盛況。儲かったものだから、ついついバビおばさんはおしゃれをしちゃったり、スマッシャーは最新の自転車を買ったりするわけです、ハントリーが止めるのも聞かず。案の定二人の変化を怪しむ人たちが出てきて、秘密のチョコバーの存在が・・・。危うし「地下チョコバー」?!

 周りの大人たちが当たり前と受け止めてしまっていることに、疑問を持ち、考え、物事をより良い方向に動かすため行動に起こす、そんな勇気ある少年たちの奮闘と美味しそうなチョコレートの物語です。読み終わったら、きっとチョコレートが食べたくなるので気をつけて
 
 図書室にはもちろんチョコレートのレシピ本もあります。初心者向けから上級編まで揃っています。まだ間に合う、ぞ!