新着図書紹介 10
かなりや/穂高明 (ポプラ社)
高校生の広海の家は代々続くお寺。祖父の大和尚から不思議な力を受け継いだ広海は、「裏の世界」に入り込むことができる。「裏の世界」とは、生死の境をさまよっている人がたたずむ世界。そこで広海は出会った人を「表の世界」へ連れ戻すことができる(助けられる人に色々条件はあるし、広海はまだ修行中だけど)
子どもの頃に身についたこの不思議な力。思慮深い広海はむやみに行動せず、物理量子学の理論をもって自分なりに受け入れ、向かい合っていきます。
「表の世界」でつまづき、「裏の世界」で広海に出会った人たちが、再び歩き始める様子をかいた連作小説
ローカル線でいこう!/真保裕一 (講談社)
県下最大のお荷物、もりはら鉄道(通称:もり鉄)は、廃線の危機に直面する赤字ローカル線。起死回生をはかって、社長に就任されたのは新幹線のカリスマ・アテンダント篠宮亜佐美。
「お金がないなら、知恵を出すのよ!」亜佐美のユニークなアイデアと行動力で、社員達、もり鉄や沿線の町が活気づいていきます。が、そんな時、もり鉄の前に数々の事件やトラブルが発生。社員一丸となり計画した「もり鉄フェスティバル」は成功するのでしょうか?!
新しいものを作ればいいってわけじゃない、今あるものを再生する。もり鉄に明日はあるのか、元気の出るお仕事小説です
いよう!/山田宗樹 (ポプラ社)
「いよう!」子どもの頃から、ふらっと現れてピンチを救ってくれていた哲彦のおじさん・清治郎。まじめで努力家の父親とは兄弟とは思えない。破天荒で周りの人達を振り回し、定職につかず自由に生きてる、でも強くてかっこいい大人。そんな生き方に哲彦があこがれるエピソードの数々。
でも、哲彦も高校、大学、社会に出て結婚と、成長していくにつれ、ヒーローだったおじさんとの関係も変わってきます。それでも、そんなおじさんは哲彦にとって、家族の絆を深めてくれた「忘れられない人」なんです