東京でオリンピック
2020年、東京でオリンピックが開催されることが決定しました。
決定後は新聞等で、いろいろな企業の「東京オリンピックおめでとう」広告を目にしたと思いますが、この言葉、誰でもが使えるわけではないようです。
キーワードは「知的財産権」 9/10の朝日新聞夕刊によると、「オリンピック」という言葉も五輪マークも国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)が商標登録として特許をとったもの。それらはもちろん、オリンピックをイメージさせる言葉などの勝手な商業利用は認められないとあります。なので商店街などが勝手に「日本代表、応援セール!」とするのはNG。
それらの言葉を使って広告していいのは、IOCやJOCの公式スポンサーに限られます。このスポンサー企業とオリンピックの関わり、オリンピックの商業主義が目立ってきたのは1984年のロサンゼルス五輪からだと言われています。
オリンピックと商業主義/小川勝 (集英社)
オリンピックをテレビ観戦していると、他のスポーツイベントとは違って、会場に広告看板がないのに気づいていますか?近代オリンピックの「格式」は、表向きにはそのように今も守られているといいますが、舞台裏では放映権料やスポンサー料が動き、競技自体にまで影響を及ぼすという実態があります。
バレーボールのラリーポイント制や陸上競技のフライングなどのルール改正、選手のコンディションよりもアメリカのテレビ放映時間重視の試合スケジュールなど。でも一方でそれらの資金のおかげで税金の投入が回避され、途上国の選手が参加できるという現実もあります。
スポーツを通して心身をきたえよう、世界各国の人と交流しよう、平和な社会を築いていこうというもともとの「オリンピズム」という理念。「商業主義」を実践する現状は、よいのか悪いのか?その両方の視点から客観的に解説した1冊。
*あくまでも営利目的での使用が認められないだけで、皆さんがウチワに「日本代表、応援します!」と書いて応援するのはもちろん問題ないですよ。