神さまの引っ越し
毎年10月になると全国の八百万の神々が一部の留守神様を残して、会議をするために出雲の国(島根県)に出かけてしまうと考えられていました。そのため10月は、神様が出かけてしまう国では「神無月」、反対に出雲の国では「神在月」とよばれています。
集まった神様たちは、来年の天候、農作物や酒造りのでき、人の運命や縁(誰と誰を結婚させようか)などについて合議されると民間伝承では伝えられています。出雲大社は縁結びの総本山でもあります。
今年はそんな出雲大社が60年ぶり、そして伊勢神宮(三重県)が20年ぶりにそろって遷宮(セングウ)を迎えました。これはとても縁起の良い事なんだそうです。
遷宮とは神宮の建物を新しく建て直して場所を遷し、さらに殿内の宝物もすべて新調される。1300年前から変わることなく行われ続けてきた神様の引っ越しのような一連の祭儀です。ただ、それを取り巻く環境は、どんどん変化。 今月始め、式年遷宮が行われた伊勢神宮では、ネットによる宣伝力でこれまでより多くの参拝者が訪れているそうです。神さまもびっくりです。
伊勢神宮~日本人は何を祈ってきたか/三橋健(朝日新聞出版)
日本で最も有名な神社「お伊勢さん」は、内宮、外宮を取り巻くように125の社からなります。室町時代からすでに「せめて一生に一度は伊勢神宮に参拝したい」と思われていたそうで、昔から日本各地より大勢の人々がお参りに訪れてきました。日本人にとって、伊勢神宮とは?
また、出雲といえば神話で有名ですが、日本最古の神話・古事記を絵物語にした。ぼおるぺん古事記/こうの史代(平凡社) 天地創造、天の岩戸、ヤマタノオロチを始めとしたエピソードを原文のままマンガで紹介。自由で愛らしくわがままな神さまたちの様子が描かれています。
イラストレーターの松尾たいこさんによる出雲IZUMOで幸せ結び、伊勢ISEで幸せ開き(小学館)はイラストがかわいいエッセイ&ガイドブックです
「ぼおるぺん古事記」は原文で書かれていますが、欄外に注釈もありイラストを追っていくだけでも流れがつかめ楽しめます