香月日輪さんの事
図書室でも人気の作家・香月日輪(こうづきひのわ)さんが、昨年12月19日にご病気で亡くなられました。
新学期が始まって、香月さんを大好きな中3生が教えてくれるまで私も知りませんでした。連載途中の作品もあり、たくさんのファンがいるのでとても残念です。
「違う世界や、違う価値観があってこそ、世の中はおもしろい」と語る香月さんは、作品の多くに妖怪や物の怪など異世界のキャラクターを登場させることでも人気でした。
妖怪アパートの幽雅な日常 全10巻+4(講談社)
幼い頃に両親を事故で亡くした夕士は早く独り立ちするのが夢。高校入学を期に親戚の家を出て下宿生活を始めます。引っ越し先のアパートには、ちょっと変わった、でも人情味あふれる《住人たち》が暮らしていました・・・。
僕とおじいちゃんと魔法の塔 1~6 (角川書店)
6年生の龍神(たつみ)は、両親、弟妹から何か疎外感を感じながら暮らしている。そんな龍神が町外れの岬に立つ塔で出会ったのは、龍神が生まれる前に死んだはずのおじいちゃんだった。
秘密を抱えたその塔で、ちょっとへんてこなおじいちゃんと過ごすうちに、なんだか居心地悪く感じていたこれまでの龍神の人生が少しづつ変わっていく・・・。
どちらも、この世のものでない者と関わり、助けられ、主人公が成長(年齢も)していく物語です。
また、香月流!幽雅な相談室~妖アパから人生まで(講談社) では、「まず自分の足下(世界)を固めよう」「身近な人でも、ネット上ででも人との距離感はとても重要」「〈大人になる〉のではなく、〈大人な態度〉が取れるのが大事」 など読者の質問に答える様子は、香月さんの人となりや作品に対する気持ちがうかがえます。
他にも、大江戸妖怪かわら版、地獄堂霊界通信、ファンム・アレース (講談社)、下町不思議町物語、黒沼 (新潮社) 桜太と不思議な森(徳間書店) などたくさんの作品があります。
香月さんのコーナーを作りました。もう一度読み直してみませんか?ファンの人達からのコメントも募集中。