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7月の図書だよりから

 209 世界史で読み解く現代ニュース〈宗教編〉/池上彰、増田ユリヤ(ポプラ社)
 現在も世界各地で起こっている戦争。要因はいろいろありますが、その中でも大きな意味を持っているのが宗教。
 今、もっとも世界的にニュースで取り上げられているイスラム教、世界に影響力を持つキリスト教、世界情勢の根元にあるユダヤ教。この3つの一神教をとりあげ、その歴史や教えについては増田さんが解説、それが現代にどのようにつながっているかを具体的に池上さんが解き明かします。

 例えば、このところアメリカやヨーロッパの国々とロシアの間で繰り広げられているウクライナをめぐる情勢。その根っこをたどっていくと160年以上前に起こったクリミア戦争(ロシアとオスマン帝国との戦い)にさかのぼります。
 現在、EU(キリスト教圏)への加盟を求め続けているトルコ(イスラム教)は、何かと理由をつけられ加入できずにいます。
 そのどちらにも根深い宗教の歴史的経緯があるのです。

 この3つの一神教、歴史と宗教の関係、成り立ちを知っておくことで、いま世界で起こっていることへの理解が増してくると言います。また、現代のニュースから歴史や宗教をひもとくという発想も大切なことです。

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 池上さんと、元高校の社会科の先生だった増田さんの共著シリーズ2作目です。  

167 絵本で学ぶイスラームの暮らし/松原直美・文、佐竹美保・絵 (あすなろ書房)は、イスラームの一家の生活を通して習慣や文化を紹介。巻末に解説もついていて、イスラーム教に対して誤解や偏見を持たずに正しく理解するための入門書です。