今日は広島に原爆が落とされた日です。
今朝、広島市平和記念公園では平和式典が行われました。被爆70年を迎えた今年、被爆者の平均年齢は80歳を超えたそうです。犠牲となった14万人を超える人々の中には、もちろん今の皆さんと同世代の人もたくさん含まれていました。
いしぶみ~広島二中一年生全滅の記録/広島テレビ放送編(ポプラ社)
その朝、広島二中に通う一年生321名は、空襲時の被害にそなえて家屋を取り壊す作業に取り組んでいて被爆しました。この本はその中で遺族によってどのような様子で亡くなったのを知ることが出来た226名の記録です。
彼らの中には、空襲が少ないからと東京や大阪から転校してきた生徒もいました。体調が悪く作業は無理だけれど荷物番ならできると登校した生徒もいました。当日の朝、めずらしく行くのをしぶってお母さんに急かされ登校した生徒もいました(お母さんはこの後ずっとそれを後悔されます)
そんな生徒達が先生の指示を聞くため整列していると、上空に原子爆弾をつんだ投下機・エノラ-ゲイが現れます。全員で空を見上げその行方を見つめている時、自分たちに向かって爆弾が落ちてくるのがわかったそうです。彼らが作業していたのは、爆心地から500メートル程しか離れていない川の土手でした。
まさか広島全市が破壊されたとは思わず川の中で救助を待つ人、両親に会いたい一心だけでなんとか家にたどり着いた人、途中で力尽きた人、その場で亡くなり翌日探しに来た家族にさえ持ち物でしか判別できないほど負傷していた人。最期の場所は皆、様々でしたが原爆が落ちた日から6日後の12日までに、一年生全員が亡くなりました。
「碑(いしぶみ)」 というのは、大きな出来事を後世に伝えるために文字を刻んで立てておく石のことです。70年前の今朝、広島にどんな悲惨な事が起こったか、戦争のない平和な世界がどんなに大切なものかを多くの人に考えて欲しいという願いを込めてこの本の題がつけれらました。