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びっくりぽんや!

 物語は終盤を迎えていますが、大阪が舞台のNHK朝の連続ドラマ『朝が来た』が現在放映中です。日本経済の大きな変動期であった幕末から大正を生きた、実在の女性実業家・広岡浅子さんをモデルにその生涯を描いたドラマです。 

 原作となったのが、小説 土佐堀川/古川智映子(潮出版)

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 小さい頃から商いの才覚に長けた子どもだと言われ育った浅子さんは、17歳で大阪の豪商・加島屋に嫁ぎます。
 父親がわりでもあった三井銀行を設立した義兄を商売の師と仰ぎ、まだ女性が社会の表舞台に出ることのなかったこの時代に、炭坑事業、銀行や生命保険会社(大同生命)を設立、時代に先駆けて敏腕を振るいました。

 自身で作った言葉「九転び十起き」(七転び八起きより2回も多い)が座右の銘。人の何倍も努力をして、転んでもただでは起きず、何かをつかんでまた起き上がる。力強く負けん気の強い浅子さんらしい言葉です。
 
 晩年は社会事業や女子の高等教育の普及にも力を入れ、日本で最初の女子大学(日本女子大学)設立に尽力しました。その生き方には、後に婦人運動家として活躍した政治家・市川房江さんも影響を受けています。

 又、関西学院大学や大阪・大丸心斎橋店を始め、当時多くの西洋建築を手がけた米国人建築家 ・ウィリアム・メレル・ヴォーリズは、浅子の娘婿と義兄弟で、設立時の大同生命ビルや芦屋の自宅など設計したのだそうです。