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先生はえらい

「何というタイトルなんだ」と思われたかもしれませんが、これは、内田樹さんが2005年にちくまプリマー新書の一冊として出された著書の題名です。
ちくまプリマー新書は、その読者層を中高生に設定して発刊されたものです。内田さんには、昨年話題になった『日本辺境論』など日本が抱える様々な問題に優しい語り口ながら鋭く批評を加える著書がたくさんあります。この本もそんな一冊です。
 内田さんは第一章「先生は既製品ではありません」の冒頭で、こう宣言します。「『誰もが尊敬できる先生』なんて存在しません」と。そして、「先生はあなたが探し出すのです」「尊敬できる先生は『恋人』に似ています」といった言葉が続きます。その真意は、本書を読んでください。
後半には「謎の先生」という章があり、夏目漱石の『こゝろ』と『三四郎』のなかの「先生」について触れ、そこに共通するのはどちらも「よくわからないおじさん」であると結論付けています。
最後の章の中で、内田さんはこう述べています。「私たちはものを習うときに、電気釜を買うときのように、カタログを見比べたり、スペックを読んだり、『お試し期間』にご飯を炊いたりして、先生を選ぶことはできません。そう思ったら大きな勘違いです。師弟関係というものを商取引の関係から類推してはなりません。もし、先生というものは、なんらかの知識や技術を具体的なかたちで『所有』しており、しかるべき対価の代償として、それを『クライアント』に伝授する職業人であると定義するとしたら、そのような関係を『師弟関係』と呼ぶことはできません。つまり、そこでは本当の意味で『学ぶ』ということは成立しないということです。」
引用が長くなりましたが、では「なぜ生徒は学ぶのか」、「何を学ぶのか」、そして「なぜ先生はえらいのか」という結論は、是非本書を読んでみて下さい。これはあくまで内田さんの考えですが、私は正鵠を射た考え方ではないかと思います。「よくわからないおじさん」の一人として…。

《連絡》
☆3年第1回スタディーサポートの結果を返却しました。各自、良く分析して欠点を見極め、進路実現に生かして下さい。 
☆体操服用ゼッケンを配布しました。今週中ぐらいを目途に半袖体操服に付けておいて下さい。
(クラスにより明日配布のところもあります。)