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「頭がよい」って何だろう

新書紹介の第二弾です。タイトルは、植島啓司先生著の集英社新書の題名です。植島先生は、宗教人類学の専門家ですが、ギャンブル理論にもくわしく、確か麻雀は国際プロ級の腕前だったはずです。
本書では、パズルやクイズを使いながらも、知能指数(IQ)の問題点やアインシュタインを初めとする「天才」達が必ずしも全てに万能ではなく、どちらかといえば欠点を多くもっていたことなどに話は及び、実は「誤解」や「間違い」が大発見や大発明のきっかけになっているということに言及します。つまり、「人と違う見方をした」ということが新しい事実に気づくきっかけになっているということです。
 これは少し難しいことですが、人間の思考の本来の姿は円環的、あるいは循環的、螺旋的であったと考えられます。ところがいわゆる近代的な思考は、それを直線的なものに代えてしまいました。その結果、現在の我々は様々の問題を抱えることになったといえます。
 植島先生の結論は、同書をぜひ読んでいただきたいのですが、思うに、単に正しい答えを導き出すことだけに優れた人間は「天才」とはいえないということです。今日のこのお話は、実は昨日のお話と裏表のお話しになっています。
 さて、昨日は内田「さん」と書き、今日は植島さんを「先生」と呼んだのはなぜでしょうか?それは、植島さんは私が大学時代に宗教学の講義を受けた先生だからです。

 《連絡》
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