こんな本を読んでみませんか 4
小説の紹介が3回続きました。少しジャンルの違う本を取り上げようと思います。小説は長くて一気に読めないなぁと思っている人もいると思いますが、「詩集」はいかがですか? あまりなじみがないので、読んだことがないかもしれませんね。2~3紹介してみますから、一度手にとってみてください。悲しいとき、寂しいとき、辛いときなどに「今の自分の気持ち」を示すぴったりな言葉を見つけることができるかもしれません。また、現実から少し目を離したくなったときに、自分の心に響いてくるような不思議な世界を垣間見ることができるかもしれませんよ。
中原中也は明治時代の詩人です。文学書に熱中するあまり落第して転校したのが16歳。そのころから詩を書くようになったようです。彼のつくる詩には独特の雰囲気があるので、読んでいると不思議な感覚に陥ることでしょう。明治の言葉遣いですが、心に残るような言葉がたくさんちりばめられています。「汚れつちまつた悲しみに」や「サーカス」はNHKの「にほんごであそぼ」でも取り上げられていたので、聞いたことがあるかもしれません。暗い闇の中でぼんやりと揺れているブランコを「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん」と表現しているところなど、目に浮かぶようじゃありませんか? A.M.