先生も勉強するんだよ③
2日目のレポートです。この日は一日中実験と実習です。朝から夕方まで合計5つ行いました。いくら理科が専門でもこれだけ長時間連続で実験となるとちょっとハードです。内容は専門的になるので、テーマと写真で雰囲気だけを感じてもらいましょう。
「自分の手で増やすDNA」
DNAという言葉は聞いたことがありますね。核の中にある遺伝情報物質です。それをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で増やします。サーマルサイクラーという機械で自動的に...が一般的なのですが、あえて手作業でしてみようというのが今回の実験です。ごく少量(15μl)のDNAを、95℃→58℃→72℃と異なる温度に変える作業を35回繰り返しました。単純な作業なんだけど、大変でした。
「簡易ミクロトームの作成」
ミクロトームとは顕微鏡のプレパラートをつくるときに標本を薄く切る道具のことです。かなり薄くしないと光学顕微鏡で光を透過させることができませんから、重要な道具なのですがお値段が高い!! 君たちにしてもらったタマネギの鱗葉表皮のように最初から薄いと簡単なのですけどね。そのミクロトームを身近なもので手作りしちゃおうという実習です。左側の写真の先生は北海道から来たそうです。
「粘土製作による両生類胚の発生過程の理解」
受精卵からオタマジャクシになるまでの過程を発生といいます。その変化は立体的なので、図説などではなかなか理解しにくいのです。色粘土をつかってモデルをつくることで理解しやすくなるんじゃないかということで、やってみているところです。写真の左側は予定運命図、右側は尾芽胚断面です。
「ニワトリの心臓の解剖観察」
解剖もおこないました。これだったら、材料はお肉屋さんで売っていますし、まな板の上でもできそうですよ。理科第2分野で「動物の世界」を扱うときには、君たちにもやってもらおうかな。右側の写真は心臓の心室部分です。右が大きな左心室、左が小さな右心室です。膜状の弁もはっきり写っていますね。
「オタマジャクシの心臓の拍動を調節する薬物の作用」
アフリカツメガエルという実験動物の幼生(オタマジャクシ)を使って、尾の部分の血流を観察しました。その後、アドレナリンやアセチルコリンなどの薬物によって心拍数がどう変化するかを調べました。簡単にいうとオタマジャクシにドーピングをさせたのです。私の使ったオタマジャクシは緊張していたと見えて、最初からドキドキの状態でしたけどね。そんなにコワイのかなぁ...
こんな場所で実習をさせていただきました。壁に「実験中に地震があったときの注意」が貼ってあって、東京は地震が多いんだなと思いました。右の写真は生物界のアイドル「プラナリア」です。A.M.