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テレビの創生期

Santa01.jpg今日はクリスマスですね。
ゆうべサンタさんはあなたの元を訪れましたか?

 1926年(昭和元年)12月25日、浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)の助教授高柳健次郎がブラウン管による電送・受像に世界で初めて成功しました。送像側に機械式のニプコー円板,受像側に電子式のブラウン管を用いて、片仮名の「イ」の文字を送受像するというものでした。ブラウン管の走査線数は40本といいますから、かなり粗いものだったようです。(今のテレビ放送の有効走査線は480本,デジタルハイビジョンが1080i/720p本です。)
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 1940年に開催が予定されていた東京オリンピックのテレビ中継のために研究・実験が進められていましたが、日中戦争によってオリンピック開催は返上となり、研究も一旦中断されました。結局、国産第1号の白黒テレビがシャープから発売されたのは1953年のことでした(サイズは14インチ、価格は175,000円)。この年にNHKが本放送を開始しました。1956年の経済白書によれば「もはや戦後ではない」と言われ、神武景気を代表とする本格的に日本経済が立ち直っていった時期になります。この当時、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫という3種類の家電を「三種の神器」といいました。

 また、国産初のカラーテレビが東芝から発売されたのは1960年のことでした(サイズは17インチ、価格は42万円)。1960年代半ばの高度経済成長時代には、カラーテレビ(Color television) ・クーラー(Cooler) ・自家用車(Car)の3種類の耐久消費財が「新三種の神器」と呼ばれるようになりました。英語の頭文字がみなCであることから「3C」とも呼ばれたようです。

 生活が豊かになることが幸せになると信じていた高度経済成長時代から40年。確かに物はあふれるようになりましたが、私たちは幸せになったのでしょうか。あなたは昨夜、サンタさんからプレゼントをもらえたことに幸せを感じましたか。A.M.