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選特化学 授業の補足 7

 熱化学に入りました。化学反応では原子間の結合関係が変化します。
AB + C → A + BCという化学反応でエネルギー図を描くと、下のようになります。A, B, Cがすべてバラバラになっているときに粒子に蓄えられている位置エネルギーを基準にしています。
energy.png
図からわかるように結合関係が変わると、Q=QBC-QABだけ位置エネルギーは変化します。AB間の引力とBC間の引力の大きさは異なるので、これらを引き離すのに必要なエネルギーは異なります。すなわちQAB≠QBCなので、Qは0ではありません。このように、集合状態が変わると、集合状態をもたらしている引力の大きさが異なるためにエネルギーの出入りがあります。エネルギーの収支は一般に運動エネルギーでおこなわれるので、熱の出入りとしてみられることになるのです。これが反応熱です。