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選特化学 授業の補足25

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 木曜日はアセトアルデヒドの合成実験をおこないました。アルデヒドの還元性はフェーリング反応で確認してもらいました。A液には銅(Ⅱ)イオンCu2+が含まれているので青色の水溶液です。B液には水酸化ナトリウムが含まれているので、混ぜると水酸化銅(Ⅱ)Cu(OH)2の青白色沈殿が生じますが、酒石酸イオンによって銅のキレート錯イオンが生じ、深青色の溶液となります。これがアルデヒドなどの還元性物質によって酸化銅(Ⅰ)Cu2Oの赤褐色沈殿を生成するという原理です。したがって、アルデヒド以外の還元性物質でも反応します。金曜日の実験ではグルコースで確かめてもらいました。(写真右) なお、塩基性では蟻酸が電離して銅イオンとキレート錯体を形成するためにアルデヒド基を持っていても蟻酸では反応はみられません。

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 金曜日はヨードホルム反応をおこないました。ヨードホルム反応は1870年に A.Lieben により報告されたハロホルム反応の一種で、ヨードホルムCHI3の黄色沈殿が生じるのが特徴です。独特のにおいがするヨードホルムはIUPAC名をトリヨードメタンといい、水道水の環境汚染物質で話題になったトリハロメタンの一種です。トリハロメタンにはクロロホルムCHCl3というのもあります。CH3-CO-を確認する反応ですが、ヨウ素がアルコールを酸化するはたらきをもつため、エタノールや2-プロパノールでも反応はみられます。