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ELCAS2011 Report26

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 今年度はELCASを4名受講しました。それぞれの生徒が自分の関心と進路に沿った専攻で受講できたことは価値があったと思います。阪大や関大,関学の高大連携講座もそうですが,学内にとどまらず,一歩踏み出すことで世界が拡がるのではないでしょうか。さて,1ヶ月も前に預かっていたY.S.さんのレポートです。彼女は生命科学系の研究者を目指しているので,ELCASの受講が良い体験になったようです。

 今回は動物生態学研究室での実習でした。カエルアンコウを解剖し,胃を取り出した後,内容物を確認し,魚類の補食・被食関係を探りました。肛門を探してそこからハサミを入れ,おなかを切り,胃を取り出す作業は初めは大変でしたが,だんだんと慣れていきました。おなかを開いてみると,胃だけではなく肝臓やうきぶくろなどのさまざまな臓器を観察することができました。胃の中身を調べてみるとほとんど泥ばかりで,10匹ほど解剖した中で1匹だけ小さな魚が出てきました。何も出てこなくて落ち込んでいたので,小さな魚が出てきたときには本当に嬉しかったです。他のメンバーにはエビが出てきた人もいました。それらの魚やエビは少し消化されてはいましたが,ほぼ原形をとどめていたことから,カエルアンコウが丸呑みして食べていることが分かりました。小魚やエビを食べている魚を私たち人間が食べているという食物連鎖の関係も改めて実感できました。また,アンコウが疑似餌を動かし,獲物をおびきよせ,一気に丸呑みする様子も見させていただきました。実際に疑似餌を見ることができ,貴重な体験となりました。ELCASで解剖実習をやってみたいと思っていたので,今回願いが叶って嬉しかったです。においがきつくてつらかったですが,楽しく充実した実習でした。