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大阪大学高大連携講座 Report28

 M.S.さんと同じ講座をK.K.さんも受講していました。同じ講義内容であっても受け止め方に違いがあり,得られるものは異なります。国際関係の進路を考えているので,入学してからの勉強が具体的にイメージできたようです。

 私は阪大の高大連携講座~民族紛争を考える~を受講しました。その民族紛争というのは漠然としたものではなく、南アフリカの、スーダンや南スーダン共和国内のディンカ人、ムルレ人といった民族間で行われている限定的な紛争についてでした。しかし限定的、といっても紛争を解決しようとある一部の団体が動いても紛争によって利益を得ている別の団体によって紛争は継続化されてしまったり、毎日のように人が亡くなっているため人の命が軽んじられている現状がある、といった密度の濃い内容でした。
 講座は4日間という短期間のもので、その流れは、先生のレクチャーを聞き、細かく調べて現状を把握し、そのうえでその解決方法を自分たちなりに考える、というものでした。先生のレクチャーを聴くというのはもちろん講座を受けた全員で聴きましたが、それ以外については、基本的に4,5人のグループでの行動でした。まず調べるというのは、万博公園付近にある民族博物館内の図書館での個人の文献調査以外は、すべてグループのインターネット上での調査でした。しかしネット上とはいっても、日本語で役に立つ資料はほとんどなく、英字新聞などを読んでの調査となり、大学に入るとかなりの英語力が必要になるのだと痛感しました。そして、ほとんどがインターネット上での調査ということで、ネットは本当に欠かせないものだということも思い知らされました。
 また、自分たちなりの解決方法を考えるということですが、グループ内でのディスカッション形式で行われました。その際に、ほかの人の紛争についての考え方を知ることができ、また自分の意見も言えて、そのディスカッションの結果を全員の前で発表できたというのはとてもいい経験になったと思います。
 今回の講座では、単に大学の授業はどのようなのかを体験できただけでなく、自分の興味のある問題についての授業を受け、20数人という少人数でしたがその人たちの前で発表を行い、図書室での文献調査をしたり、見慣れない英語の論文や新聞を読んだり、また阪大生と直に話せたりという普段の今の生活ではできないことができたので、受験勉強をしなければならないこの夏休みの4日間を返上してでも、この講座を受けることができて本当によかったと思いました。