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生かされている

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 朝からみごとに晴れわたりました。正門の警備員さんが「最高の卒業式ですね」とニコニコしながら話しかけてくれました。3月17日、第61回中学校卒業式が挙行されました。
 私は過日の高校生の卒業式と同じく「私たちは生きているのではなく、生かされている」、このことをしっかりと心に刻んでほしいと訴えかけました。

 実は私には印象に残ることがあります。5年前、東日本大震災が発生した年の「センバツ高校野球」のことです。大震災の直後でもあり、大会を実行するかどうか色々と話し合われました。最後は、震災に負けないで、むしろ全国に元気をお届けしようということで開催されることになりました。そのセンバツの開会式の宣誓台に立ったのが岡山創志学園のキャプテン野山君でした。震災後12日目のことです。野山君は宣誓で「私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました」で始め、最後に「生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」と締めくくったのです。

 いつも宣誓は絶叫調型で行われますが、この時の宣誓は一語一語かみしめ、実に堂々としたものでした。野山君は宣誓に「生かされている」という言葉を使いました。東日本大震災の未曾有の被害の様子は何度も何度もテレビ画面で映し出されました。その悲惨な状況を目にし、阪神淡路大震災の年に生まれた野山君は、自分がセンバツに出場できる歓びと責任を「生かされている」と表現したのだと思います。この時、彼は高校2年生、16歳の少年が宣誓でこのように話したことに私には驚きで、感動的でした。私はこの4月から高校生になる卒業生にぜひこのことを伝えたいと思いました。因みにその創志学園は今年センバツに出場し、5日目(3/24)に登場します。

 卒業式には「卒業生のことば」がありますが、二人の卒業生が心に残る話をしてくれました。男子生徒は、クラブ活動で良き仲間に出会え、心身ともに成長できたこと、全員を引っ張って行くことはたやすくはなかったが、仲間と何度も話し合い、よい活動ができたこと。将来は保育士になりたい夢を話し、厳しい仕事であることは分かっているが、子供たちの笑顔を見るために頑張りたいこと。女子生徒は母親を7年前にがんで亡くしたが、夢は、がんを確実に根治させる方法を見つけ、がんで苦しむ人を一人でも少なくしたいこと。夢を見るだけで終わるのか、叶うかはその人の努力次第だと思う。今は遠いところにいる母に良い報告をして親孝行をしたい、とのことでした。

 嬉しかったのは二人とも何かのために役に立ちたいこと、そのためには厳しいことにも挑戦し、努力を厭わない真剣な姿勢でした。卒業生183名がこれから進む高校で、目標をしっかり掲げ、大きく成長してくれることを願ってやみません。