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「やってみなはれ、やらなわかりまへんで」

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大正13年(1924年)11月11日、サントリー山崎蒸留所は完成し、その竣工式が開催されました。今から93年前のことです。世界5大ウイスキーの一つ、ジャパニーズウイスキーはこの日をもって始まりました。余談ですが、工場に据え付けるポットスチルと呼ばれるウイスキーを蒸留する巨大な釜は、大阪から淀川をさかのぼって移動、陸揚げし、難関の東海道線は、深夜、列車の通らないときにコロを下敷きにして越えたとのことです。
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鳥井信治郎の「ウイスキーづくりへの挑戦」には「百人が百人反対した」と言われています。莫大な費用をかけても最初の数年間は原酒を寝かせる必要上、商品が出荷できない。鳥井信治郎は経営者として大変な決断をしました。私がサントリーで働いている1980年代には「サントリーオールド」というウイスキーは年間1200万ケース(14,400万本)以上販売されるに至りました。もちろんこの数字は世界一、「化け物」とまで言われたものです。そして今や日本のウイスキーは数量だけでなく品質的にも世界一と評価されるようになりました。

「挑戦」「チャレンジ」は企業では新入社員に求めるキーワードであり、「やってみなはれ」精神は、企業での社員教育の教材テーマにも取り上げられています。雲雀丘学園中高では毎年4月には生徒1400名全員が「私の挑戦」を書き校長に提出、校長は一人一人に激励の返事を送ることで生徒の挑戦心を培っています。「内向きになってしまった日本」は何としても打破しなければなりません。その先陣を雲雀丘の生徒が担ってくれればありがたいことです。

11月11日、雲雀丘学園ではこの秋から実施している「プログラミング体験教室」を報道関係者へ公開します。プログラミング教育の狙いの一つに「自らの力でやり抜く精神を養う」があります。失敗を恐れず試行錯誤を重ね最後までやり抜く姿勢は「やってみなはれ」精神にも通じます。そして生徒だけに求めず学園経営にも常に「やってみなはれ」精神が求められているものと思います。(2017.11.1)