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「先駆者」の気持ちで

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ーICT機器を取り入れた授業を目指してー

 学園中学校・高等学校のICT教育については現在、「何をどれだけ整備するか」と「整備された機器をどのように活用するのか」という2つのテーマがある。前者については、平成26年度に生徒用タブレット端末を、平成28年度にすべての普通教室に電子黒板機能付きプロジェクタを整備し、情報機器の整備はひと段落したといえる。これからは、後者の機器・設備をいかに活用するかが大きな課題である。

20171201-1.jpg 現在、教室設置のプロジェクタの活用はかなり進んでいる。およそ半数の授業で、プロジェクタを使用した学習指導が展開されている。一方で、タブレット端末を生徒が操作するような授業は、その展開・管理の難しさや共用端末の台数の制限などの理由により、一部の授業に限られているのが現状である。

 そのような中、「第1回 授業研究大会」(11月10日)で、私はタブレット端末を活用した数学の授業を試みた。「一方通行型」の授業になりがちであった問題演習授業を、グループ学習とタブレット端末を用いることで、「双方向型」「発信型」の授業に転換できないかと考えた。タブレット端末の「場所・時間を超えて情報を共有できる」という長所を生かし、他の生徒の答案を参照しながら自分自身の答案をブラッシュアップしていく活動を中心に据えた。

 今回の授業実践を通じて、端末の性能・仕様や通信環境などに多くの問題点が見つかった。また、私自身も経験が少ないだけに、生徒に端末を操作させる授業に、正直なところかなり当惑した。しかし、授業研究大会では、指導助言者の大学の先生をはじめ、学園内外の多くの先生に助言をいただき、それをもとに有用な「ノウハウ」を得ることができた。これらは大きな財産である。

 ICT機器を積極的に活用した授業の開発はまだまだ途上段階である。これらの授業は自分自身が生徒として受けたことのない授業だけに、われわれ教員も「先駆者」の気持ちで、新しい授業の開発に努めていきたい。
(2017.11.28 中学校・高等学校 教諭 道北秀寿)