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親孝行・やってみなはれ
2020年02月28日
「人目につかない所できれいに咲く月見草」
「神様を抜いた? 私は凡人です。」
2月11日に84才でなくなった野村克也さんが、監督通算1067勝して川上哲治氏の記録を抜いたときの言葉です。
同世代で活躍した王選手や長嶋選手らの天才を引き合いにした自虐ネタでも有名だった野村さん。だからこそ監督になって選手を指揮する立場になっても、「凡人」という目線で選手一人一人をよく見て、分析して、IT野球といわれるほど研究し尽くしていました。
1999年、阪神監督就任1年目のシーズンが最下位に終わった後、野村さんは全選手に反省文を書かせたそうです。そしてそれを丁寧に読み込んだ上で、余白に、あるいは別のレポート用紙をつけて、赤ペンを使った綺麗な文字で反省文に対する所感と、来季に向けてどうすべきかという課題を一人一人に書いて返しました。弱いチームが勝つためには何が必要かを考え、選手に考える力をつけさせて、来季への課題を与える意味も含めて、全員に細やかなアドバイスをしたのです。
「阪神の監督を引き受けたのは失敗だった。」が晩年の口癖だったそうですが、その3シーズン後に星野監督が阪神を優勝に導いたのは、こんな野村イズムの力が大きかったはずです。
大輪の花を咲かせることも大切ですが、指導はそれだけではありません。花を咲かせるために土を耕し肥料や水を与えたり、日差しや寒さから守ったり、逆に風雨にさらしたりすることも時には大切になります。
野村さんはそして、「星野さんが監督で良かった。」という言葉を優勝した年の阪神に送っています。
(小学校 体育専科 岩井 茂)