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親孝行・やってみなはれ

2021年01月15日

明日できることは今日するな

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 中学生の私は、成績も良く優等生でした。自分が悪くなくても行事のたびに先生から叱られ、その時は腹が立ちましたが、今考えると鍛えられていたのでしょう。

 高校生の私は、成績が悪く劣等生でした。誰からも叱られず、見捨てられていると思っていましたが、今考えると見守っていただいていたのでしょう。亡父からは「おまえは性質的に商売には向かん!」と言われ続けてきました。そんな中高生だった私が教育大学を志望しました。現在はクラスやクラブを持たず授業なし状態が長くなりました。今考えると、父の言葉は正しかったのかなと思う時があります。

 かつて教育実習生に「なぜ教師に?」の問いに「中井先生が授業でプレゼン発表を誉めて先生に向いていると言ってくれたから頑張りました。」と答えがあり、私には記憶がなく顔から火が出そうでした。その卒業生は美術の先生になりました。

 不真面目な高校生の私に刻まれた先生からの言葉は「明日できることは今日するな」です。先々やっておくことが大事と言われてきましたし、そう思っていましたからその時はよくわかりませんでした。しかし、振り返ってみるとこの言葉の言い換えは「明日できないことを今日しろ」だと気づきました。

 教育学者の梶田叡一先生は、教師として求められることは、(1)教育への熱意と迫力(2)子どもが好き(3)子どもの気持ちが感じとれる(4)人間的存在感をあげられています。生徒の時にはわからなくても、大人や教師になって考えるとわかることや気づくことがたくさんあります。



(中高校校長 中井 啓之)