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親孝行・やってみなはれ
2022年05月27日
感謝
恥ずかしながら私は社会人になるまで,「プレゼントを両親に贈る」ということをしてきませんでした。クラスの児童が,「お母さんの誕生日にお花とプレゼントと手紙を渡したよ」と話していたのを聞いて,すごいなぁ,子どもの頃はできなかったな,と感心するほどです。
そんな私が,初めて両親にプレゼントしたのは,社会人1年目のときでした。実家から2時間ほどかかる小学校に勤めていた私は,初めて1人暮らしを経験することになります。実家から解放されるという自由を手にした代わりに,洗濯・炊事・掃除などの家事に取り組み始めました。実家にいた頃は,「家事ぐらいできるだろう」と高を括っていた私ですが,洗濯物の干し方も知らず,初めて干したシャツは,しわくちゃになってしまいました。そこでアイロンをかけようと思っても,今度はアイロンのかけ方が分かりません。幸いスマートフォンを手にしていた私は,毎日のように家事の仕方を調べました。それでもすぐに覚えられず,何度も同じ内容を検索していました。両親はこんなに大変なことを毎日していたかと思うと,頭が上がりません。
家事の仕方を一通り覚えた頃,両親に頼ってばかりだったと思った私は,ロードバイク好きの両親にサイクルジャージをプレゼントしました。それから2年が経ち,結婚25周年を迎えた両親はそのジャージを着て,銀婚式ライドに出かけていました。ジャージは日に焼けて色褪せていましたが,よく転んでジャージを破いていた両親が私の贈ったジャージを破いていなかったのは,それだけ大切に着ていた証拠でしょうか。
あと数年で還暦を迎える両親。親孝行をこれまでできなかった分までしていきたいです。
(雲雀丘学園小学校 4年学級担任 福田 祐太)