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親孝行・やってみなはれ
2022年05月20日
ABCから始めよう
英語の先生をしていると、「昔から英語得意なん？」と児童から質問されます。私は、英語が大の苦手でした。中1の夏休み前、母は26点のテストを見て激怒しました。「AからZまで書いてみ？」と冗談混じりに言われ、全く書けない私を見て母は愕然としていました。
そこから英語との格闘が始まりました。まずはAからZまで正しく書く訓練を、中1の夏休みから始めました。「覚えられへん単語は、100回書くんや！」という言葉を信じ、100回書いたりもしました。とにかく不器用でがむしゃらでした。
最初は不器用でしたが、友達や先生に勉強法を聞いたり、母と一緒に勉強したりして、自分に合う方法が徐々に分かりました。そして、中1最後のテストがやってきました。86点を取り、成績優秀者に私の名前が挙がりました。とても嬉しく、結果を知った母は驚きつつも喜んでいました。
そして月日は流れ、私は英語の指導者になり、今ではたまに母に英語を教えています。母はよく「ABCも書けへんかったあんたが英語の先生か〜。」と言います。私は、「せやからこそ、英語苦手な子の気持ちに寄り添いたいなぁ。」と言って、ずっと勉強に付き合ってくれた母の背中を思い出すのです。
（雲雀丘学園小学校 英語専科 小渕 竜太朗）