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親孝行・やってみなはれ
2022年07月01日
「父が見せてくれた後ろ姿」
私たち家族にとって偉大な存在であった父が他界して７年が経ちました。病床で徐々に身体が弱くなっていくなか注射針も上手く入らなくなり、失敗を繰り返す若い看護師さんが「何回もごめんなさい。先輩の看護師を呼んでくるから待っていてください。」と言いました。しかし父は、「呼ばなくていい。貴方がやりなさい。病院では健康な人よりも私のように血管も弱くなっていく人ばかりだ。私で練習すればいい。」と話すのです。そしてようやく成功すると「これで貴方は1つ山を越えた。この経験が大事なんだよ。ありがとう。」と言いその看護師さんに合掌する姿を今も思い出します。病床であっても私たち家族に身をもって教えてくれた父の後ろ姿を忘れず、自分が迷った時に、悩んだ時にいつも亡き父に話しかけています。高齢になった母に少しでも親孝行できるよう自分が出来ることをと思いますが、私も２児の母となった今、普通の毎日に感謝し元気に生きていくことこそが最大の親孝行なのかと思いながら、母にいつまでも元気でいてほしいと願うのです。
（中山台幼稚園 園長 本庄 友姫子）