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親孝行・やってみなはれ

2024年11月22日

やってみなはれ(クラブ活動)

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雲雀丘学園に着任したとき、バスケットボール部の顧問を担当する予定だった私は、ネットも張っていない校庭で友達と遊びでテニスボールを打ったことがあるといういい加減な理由だけでテニス部の顧問に変更していただきました。このような優柔不断な理由で顧問になったため、数ヶ月間はテニスコートに足を運ぶことはありませんでした。当時の雲雀丘学園は部活動に対して消極的で、運動部で盛んなのは柔道部や剣道部くらいで、現場に出向く先生はほとんどいなかったため問題にはなりませんでした。しばらくして、テニスコートに入ってボールを打つようになりましたが、それは自分が楽しむためだったので、顧問らしい指導はしませんでしたし、その能力もありませんでした。あるとき、練習試合で部員から「早く野村先生もあの先生のように指導できるようになってくださいよ」と言われたことを今でも鮮明に覚えています。この言葉で負けず嫌いの心に火がつきました。「やってやる」と思いました。自らテニススクールに通ってどのような練習をするかを実体験したり、強い学校に練習試合を申し込んでその学校の顧問の言葉に聞き耳を立てたり、テニス雑誌を読みあさったりしました。元々が弱小チームだったため、「努力をすればすぐ成果が出るので、それで嬉しくなってまた努力をする」という好循環に私も部員もはまりました。到達目標はどんどん上がり、気がつけば中学校は全国大会の常連校に、高校は常に県大会入賞から近畿大会出場くらいのレベルのチームになっていました。当然、私の努力だけでなく、自由にクラブ経営ができたという幸運と、一緒に頑張ってくれる部員に恵まれたことはいうまでもありません。クラブ活動において「やってみなはれ、やってみなわかりまへんで」の精神を少しは実践できたのではないかと思っています。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 教頭 野村 勝)