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親孝行・やってみなはれ

2024年11月08日

あたりまえに感謝する

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私の父は9月に米寿を迎えました。昭和11年生まれの88歳です。
私が子どもの頃、父に若いときの苦労話をよく聞かせてもらいました。
戦争中、神戸に何回も空襲があり、家族とともに逃げ回ったこと。終戦後、食べ物が無くていつもお腹を空かしていたこと。幼い弟妹がいて、家がとても貧しかったこと。
その中でも、特に私が印象に残っている話があります。
父は中学時代、成績が良い方だったそうですが、家計が苦しかったこともあり、高校進学を断念しました。高校に進学した友人の楽しそうな様子を見て、とても羨ましいと感じたそうです。そして、自分の子どもには十分に勉強をさせてあげたいという思いが強くなったと。
父が仕事を頑張ってくれたおかげで、私は恵まれた環境で育ちました。中高の6年間は私学に通わせてもらいました。そして、大学にも進学させてくれました。私が大学に合格したとき、父が自分のことのように喜んでくれたことを思い出します。

雲雀丘の教員になって、33年の月日が過ぎました。
あたりまえのように、朝起きて学校に行く。授業を受けて、クラブに参加して家に帰る。
あたりまえのように、朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんを食べる。
あたりまえのように、お小遣いで欲しいものを買う。

私たちにはあたりまえのことでも、それがあたりまえでない人たちがたくさんいることに気づくことも、私たちは必要かもしれません。
日々の生活に感謝して、毎日充実した時間を過ごしていくことがとても大切です。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 数学科 中1担任 井上 雅喜)