« 2013年06月 | メイン | 2013年08月 »

2013年07月31日

Because I am a Girl

 昨年の10月、パキスタンで下校途中のバスの中で15歳の少女が武装集団に銃撃されました。少女の名前はマララ・ユスフザイさん。
 彼女の住む地域は、反政府武装勢力・タリバーンによって女性の教育や就労が反対されていました。そんな中、彼女は11歳の頃から海外のメディアやブログを通じて、女の子だからというだけで差別され教育を受けられないことがあってはならない、「勉強を続けたい」と訴え続けてきました。そういった行動による世界への影響力を嫌ったタリバーンが狙い撃ちにしたのです。
 幸い、一命を取り留め回復したマララさんは誕生日でもある今月12日、国連によばれスピーチを披露しました。その内容はテロリストへの復讐ではなく、すべての子どもたちへの無料の義務教育や女性の自由と平等などを求めるものでした。
 「One child,one teacher,one pen, and one book can chage the world」
1人の子ども、1人の先生、1本のペン、そして1冊の本、それで世界を変えられる

 パキスタンだけではありません。日本にいると当たり前の事が、当たり前ではない国や地域が世界にはたくさんあります。

Because I am a Girl わたしは女の子だから/ティム・ブッチャー他、著 角田光代訳 (英治出版)
 女性であること、子どもであること、この二重の差別をうけ、様々な困難に直面する途上国の女の子たちの問題を訴え、彼女たちが「生きていく力」を身につけることで、その国の貧困が少しでも減っていくことを目指す そんなキャンペーンを立ち上げたNGO団体プラン。それに賛同した各国の作家が各地のプランの活動を取材して書かれた短編集です。
 訳者の角田さんも又、現地を訪問 「私は非力だけれど、何とかしたいと思うところからしか、物事は動かない」と強く感じたそうです。


        marara.jpg


2013年07月25日

宝塚歌劇100周年

 阪急電鉄の創始者・小林一三さんが1913年に宝塚音楽隊として「清く・正しく・美しく」をモットーに創立させた宝塚歌劇団が今年7月創立100周年だそうです。
 大劇場も近く、毎年中学3年生は観劇の機会もあり歌劇が大好き!という人も多いですよね。又、学園の卒業生が何名もタカラジェンヌとして活躍されています。

 そんな歌劇団の100年の歴史を振り返ると色々な事がありました。
 戦争もその一つ。ヨーロッパ流の歌と踊りの世界をリーズナブルな料金で大衆に提供したいと始まった歌劇。その華やかさは戦争とは対極のもの。戦時中はプログラムも戦時色の濃いものになり、昭和19年にはとうとう劇場閉鎖令が出され、最後の講演にはたくさんの人達が詰めかけたそうです。
 当時劇団に所属していた人たちのインタビューをまじえ、戦後どのように再開されたのかを綴ったタカラジェンヌの太平洋戦争/玉岡かおる(新潮社)

      duka1.jpg

宝塚(ヅカ)読本/中本千晶 (バジリコ)
 こちらは、歌劇を観たことがない人や初心者でも楽しめる1冊。中大兄皇子だってブーツをはく、羽根による階級制などの『宝塚・10のオキテ』や、男役・女役はどうやって決めるの?トップスターになる条件は?あの豪華な衣装を着てみたいんですけど・・・などの素朴な疑問に答えてくれます

 宝塚命のお母さんから、将来宝塚の男役になることを期待され育った女の子が主人公の物語100%ガールズ ①~ /吉野万理子(講談社)
 外見もふるまいも男の子っぽくするのがカッコいいと思っていた真純は小学校でも自他ともに認める人気者。中学進学を期にサッカー部に入部、そこで出会った先輩が見せた人に対する優しさやライバルのあきらめずに頑張る姿をみて、カッコいいって外見じゃない!生き方の問題なんだ!と気づきます。
 そして、サッカーに夢中になる中、宝塚かサッカーか真純は進路の選択をしなければなりません (現在、2巻(中2)まで刊行)

2013年07月23日

夏休みの開室カレンダー

 夏休みが始まりました。始まって早々に冬のニュージーランドに旅立った人、大山登山に向かった学年、部活や講習と大忙しの人、いろいろだと思いますが、長い休みを有意義に過ごしてくださいね

 夏休み中の図書室は下記の通りのスケジュールです。自習利用だけでなく、もちろん貸出もしています。読書課題のある人はお早めに!

 (ひばりの図書室7月号にも、掲載しています)

H25%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC.jpg

2013年07月18日

図書室で授業中

 今日は中3社会の授業がありました。1学期最後の授業です

 秋に行く沖縄への研修旅行へ向けて調べ学習「沖縄新聞」の制作。班毎に分かれ、調べたいテーマを決め、資料探しです。
 先生からは「漠然としたテーマにするんじゃなくて、絞り込んで一つの事をより深く調べること!」という声かけが。でも、調べたいものと調べやすいもの(情報が集めやすいもの)が、同じとは限らないのが困ったところ


okina2.jpg  okina1.jpg


 それでも早速、沖縄関係の本のコーナーに人だかりが。今日はインターネットでの検索もOKということで、カウンターのパソコンを開放。ハブの生態や天然記念物、海洋表面積などについて調べていました。
 本の場合もそうですが、インターネットからの情報を引用する場合は、必ずどこから(どの本から)引用したかメモしておくこと
 特にレポートを作る時などは、自分の意見と他者の意見をはっきりと区別させておかなければなりません。何を参考にしたかを書くのがルールなんですよ

2013年07月13日

夏休みの課題?

 「新書ってどこにありますか?」と、やってくる人たちがチラホラ。中3、高1の一部のクラスで新書を読む事が夏休みの課題になっているようです

 『新書』はサイズの目安であって、新しく出た本ではないのです(これは新刊とよびます) 図書室では新書だけを集めています


 カウンター横のこのあたりと、        校庭に面した窓の下、この書架
                
sroc2.jpg sroc1.jpg


 本の内容(分類)毎に分けて並べてあります。
 sroc3.jpg 
     
  
  分類番号と内容をかいた案内板も
 ありますから、目安にしてください。


 例えば生物関係は、4で始まる緑色の
 シールが貼ってある本です。

2013年07月12日

夏休み貸出、はじめました

 あと1週間で夏休みです。今週から夏休みの長期貸出を始めました

    返却日   8月28日(水)
    貸出冊数   8冊

 期間中は何度でも貸出・返却ができます

 各出版社とも夏休みの前には、文庫本を対象にいろいろなフェアを展開、ガイドブックを作ります。図書室でも数種取り寄せました。数に限りがありますが、自由に持ち帰って夏の読書に役立ててください

 もちろんカウンターでも課題図書をはじめ、本の相談にのるので声をかけてください。そうやって話しているのを聞いて、本好きの誰かがアドバイスしてくれることもありますよ

         P1060263.jpg      
         街の書店でも無料冊子は手に入ります

2013年07月10日

ロボット宇宙飛行士

 身長34㎝、体重1㎏程の愛くるしいロボット飛行士KIROBO(キロボ)とMIRATA(ミラタ)が、先日お披露目されました。

 人とコミュニケーションのとれるKIROBOは日本語で話しのできる人型ロボット。
8月に「こうのとり」で国際宇宙ステーションへ飛び立ち、年末にやってくる宇宙飛行士の若田光一さんを出迎え、情報伝達などの実験に挑みます。MIRATAはそれをサポートするため地上勤務。
 この2体の開発に携わっているのが『きぼうロボットプロジェクト』 多様な生き方に伴って高齢者だけでなく、あらゆる世代で独りで暮らす人が増えてきている現在。人とのつながりが薄れてくることで発生する問題を少しでも解決できるように、とコミュニケーションの出来るロボットの開発に取り組んでいます。

 その中心になっているのがロボットクリエイターの高橋智隆さん。京大在学中から一人でロボットの制作に取り組み、技術や理論だけでなくかわいい外観と動きを重視。(乾電池のCMにも出演していたエボルタくんも高橋さんの作品)
 人とロボットの共生する未来を目指し、研究を進めているそうです。そんな高橋さんの学生時代からベンチャーで起業するまでを綴ったのがロボットの天才/高橋智隆 (メディアファクトリー)

 ロボットとの付き合い方、おしえます。/瀬名秀明 (河出書房新社)
理系ホラー、パラサイト・イブ(角川書店)で知られる作家の瀬名さんが、宇宙探査、災害救助から農業、介護の現場まで最先端のロボット研究を通して、未来への関わりかたを考えます。
 なんらかの機能が特化しているだけの機械ならば、パソコンで十分。ロボット好きのお父さんが喜ぶだけでもダメ。(リビングに置いてあって「お父さーん、これ片づけてよ!」と言われない) 家族みんなが感情移入でき、ウチにいればいいのになあ、と思ってもらえる存在。それがロボットの本質なのではないか。
 そして、すべてをゆだねるのではなく、自分のできないことをやってもらう。こんなところでロボットが手助けしてくれたらいいのになあと想像することでロボットの未来は広がるのではないかといいます。

             robo1.jpg

 KIROBOはお披露目会で「僕にとっては小さな一歩だけど、ロボットにとっては大きな一歩です」と、アポロ11号のアームストロング船長級の名言を語っていました。
そんなKIROBOが無重力実験などの過酷な?試験に挑む様子は『きぼうロボットプロジェクト』のHPで見られますよ。

2013年07月04日

七夕の笹飾り

 もうすぐ七夕。笹飾りを作りました。早速、短冊をつるした人もいます。
 明日、テストが終わったら願い事を胸に、図書室へ!


tanabata2.jpg       tanabata1.jpg

2013年07月01日

夢の図書館 ・続

 「レコメンド recomend」という手法があります。利用者の購入履歴やアンケートなどの情報を分析して、その人の好みにあった品物、サービスを推薦し売り上げを高めるのがねらいです。

 東大での「読書の電子化」の最大の目標の1つは、「東大レコメンド」。学生への読むべき本の推薦を個人向けに行おうというのです。あらゆる書評や読書案内を集めたデータベースをつくり、そこから各学生の個性や適性、目的に合わせて本のおすすめ情報が出る。それを好き嫌いでマークしていくと、より自分にあった本が推薦される。
 ネットショップなどでも、本を探していると「この本を見た人は、こんな本も見ていますよ」という情報が出てきますよね
 さらに、バーチャルリアリティー空間でそれらの本を並べた自分だけの本棚を作ります。これを繰り返しているうちに本棚がとどんどん増え、自分好みの自分の図書館が出来上がります。書籍が電子化されていれば、いつでもそこから取出して読むこともできますね
 まさしく夢の図書館。そんな事ができるかも?でも、そうなると一番必要とされる職業が本のソムリエかもしれない。人生の限られた時間の中で、次に何を読むべきか?誰もが持つ悩みのたねだ、と立花さんは書いています。

 図書館では、司書がそのポジションになりますね。めざせソムリエで、しっかり情報のアンテナを張らねばと思っています。
 (が、日々購入する本の選書をしていると、こんな時ソムリエがいれば、とつい思ってしまいます・・・)