大賞だけでなく・・・
先日、取り上げた本屋大賞ですが、日本の小説10作品がノミネートされていました。その他の作品もいくつかそろっているので紹介します。
昨夜のカレー、明日のパン/木皿泉 (河出書房新社)
若くして結婚した徹子は、数年後、病気で夫・一樹を失います。以降、義理の父である連太郎さんと二人暮らしを始めて7年。いまだに一樹の死をうまく受けとめきれずにいます。
大切な人がいなくなっても、世の中は変わらず動いていく。自分も前を向いて生きていかなくちゃならない。でもそのためにその人を忘れてしまったら、どうしよう。
でも人は変わっていくものなんだ、周りの人達がかけてくれる様々な言葉。そして、パンだったり、車や傘、そんな平凡な物がふとしたきっかけで悲しみ以外のものに目を向けさせてくれる。
人気脚本家でもある木皿さんの「コトバの力」がたっぷり詰まっています。
ランチのアッコちゃん/柚木麻子(双葉社)
OLの三智子は、あることがきっかけで職場の上司・アッコさんから「1週間あなたの作ったお弁当と私のランチを交換しよう」と提案されます。それから毎朝おふくろの味的な三智子のお弁当と交換にアッコさんからはランチの代金とお店の地図が手渡されます。(交換は周りに知られないようこっそりと)
月曜ははちょっと怪しげなカレー屋さん、火曜は屋台のハワイアン・カフェ、行く先々で三智子の全く知らないアッコさんの一面を聞くにつれ、最初はおっかなびっくり過ごしていた昼休みが、いつの間にか三智子の心に変化を起こします。
そして週末には・・・。 美味しいものを食べると人は元気になる!
島はぼくらと/辻村深月(講談社) 以前、紹介したのでこちらをどうぞ
他にも、想像ラジオ/いとうせいこう(河出書房新社)、 とっぴんぱらりの風太郎/万城目学(文藝春秋)、聖なる怠け者の冒険/森見登美彦(朝日新聞出版)
貸出中のものもありますが、本屋大賞コーナーでどうぞ