「先生の話し口は、お世辞にも聞き取りやすい、はきはきとしたものではなかった」そうですが、中井先生が三善先生からうけた影響は大きかったそうです。
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三善先生はどの作品においても作者の人生を深く語ることによって、作者がどのように作品に関わっていったのかを伝えられました。単純な私は他の作品も読んでみようという気になり、遠藤周作の著書を次々に手にしたように思います。
遠藤周作は、母や叔母の影響でキリスト教の洗礼を受け、灘中学校に進学しましたが、優秀な成績ではなく、受験にはことごとく失敗。医学部に受験・進学できなかったため父親から勘当されたと記憶しています。
先生と親交のあった安部公房、梶井基次郎、萩原朔太郎、森鷗外と30年を経った今も作者・作品、授業を思い出すことができます。先生の影響で受験勉強もせず、遠藤周作だけでなく、安部公房やカフカや大江健三郎など手に取っていたようにも思います。
三善先生との出会いによって、多くの文筆家や作品を知ることができました。
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遠藤周作さんの作品は、
幕末から明治、第2次世界大戦下、キリスト教に無理解だった時代に信者の若者に想いを寄せた少女達の一途な愛を描いた「女の一生」
戦争末期、実際に起きた九州大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化した「海と毒薬」
愛を求めて、人生の意味を求めてインド・母なる河・ガンジスへと向う人々を描いた「深い河」を始め、エッセイなどその作品は多数。
「沈黙」は今年、米国で映画化されています。