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2016年08月31日

伊集院静さんからのことば

 少し前になりますが、作家の伊集院静さんが学園を見学に来られました。7月から日経新聞で連載されている小説の取材の為です。
 その小説「琥珀の夢」の主人公は、サントリー創業者・鳥井信次郎。雲雀丘学園の創立者でもあります。 
 明治人のチャレンジ精神、類い稀な発想と創造力、たくましい商魂で「日本に洋酒文化を」との夢にまい進した信治郎と、彼の志を受け継いだ人々の姿を、大阪、そして日本経済の変遷を背景に描いた伊集院さん初めての企業小説です。

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   色紙をいただきました。
  『美しい会話の中に 美しい日本語は在る。正しい日本語を身に付けなさい』

伊集院さんは野球好きでも知られて、題材として多くの作品に取り上げられています。1992年に直木賞を受賞した「受け月」(文藝春秋)を始め
 最強の野球チームをつくることを夢見る少女・ミサキとナインたちの成長を、湘南を舞台に生き生きと描く長編シリーズ「スコアブック」(講談社)
 ノボさんこと、文豪・正岡子規は若い頃、俳句・短歌・小説・あらゆる表現に魅入られたのと同じくらい、「べーすぼーる」に夢中でした。そんなノボさんが、金之助こと夏目漱石と運命的な出会いをし、志をともに人生を語り、夢を語り、恋を語った。子規と漱石の友情を描いた「ノボさん」(講談社)
 伊集院さんにとって野球と文芸に魅入られた子規の姿は自身の青春そのものだったそうです。

 又、親交のある松井秀喜さんのことを描いたエッセイ「野球でまなんだこと ヒデキくんが教えてくれたこと」(講談社)

 他にも、ともに犬好きであるKinki Kidsの堂本剛さんとの共著「ずーっといっしょ。」「きみと歩けば」(共に朝日新聞出版)
 最近ではエッセイ「大人の流儀」(講談社)シリーズでも人気です。 

2016年08月23日

今度は本で

 オリンピックが終わって、新学期が始まりましたね。
『観たぞ! リオ五輪』 コーナーをつくりました。オリンピックの競技種目を題材にした小説がいろいろあります。

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技術やメンタルを鍛えるにはどうすれば?スポーツ関連の新書も一緒に並べました。

 男女ともに盛り上った卓球では、チーム/吉野万里子(小学館) 
卓球に打ち込む少年少女たちの挑戦、挫折、そして成長する姿を小学校から高校まで描いた群像劇全3巻。

 飛込競技ではDIVE!/森絵都(講談社)
高さ10メートルの飛込み台からダイブして空中演技の正確さと美しさを競う高飛び込み。時速60キロでわずか1.4秒、その一瞬に魅了された中高生たちの姿を描きます。少年たちが通う弱小ダイビングクラブが存続の危機にたちます。それを回避する条件が、なんとオリンピック出場。そこから凄腕コーチと平凡な少年たちのすべてをかけた挑戦が始まります。

 今回、女子高飛び込みで8位入賞を果たした板橋美波さん(なんて板飛び込みにふさわしい名前!)は、地元・宝塚市の16歳の高校生です。

他にも、 快晴フライング/古内一絵、水を打つ/堂場瞬一<水泳>
 サクリファイス/近藤史恵<自転車>、ららのいた夏/川上健一<マラソン>
 一瞬の風になれ/佐藤多佳子、Run!Run!Run!/桂望実、800/川島誠 
 走れ、健次郎/菊池幸見、
<陸上>
 レガッタ/濱野京子<ボート>、オン・ザ・ライン/朽木洋<テニス>
 ラブ・オール・プレイ/小瀬木麻美<バトミントン>
 青空バームクーヘン/吉野万里子<ウエイトリフティング> などなど。

シドニー!/村上春樹、泳いで帰れ/奥田英朗 など作家のオリンピック観戦記もあります。

 オリンピックで観て熱くなったあの競技を小説でも味わってみよう。

2016年08月18日

オリンピック終盤

 リオ・オリンピックも終盤です。今回も206の国と地域から選手が参加、それぞれの国でたくさんの人達が同じ時間に一喜一憂しているんだろうなあ。今回は日本人選手が大活躍、メダルの数も日に日に増えています。
 昨日の卓球団体女子ではメダル決定の最終戦に、皆さんと同世代・15歳の伊藤美誠選手が挑み、ものすごい試合をみせてくれました。結果、見事銅メダル!

 ところでオリンピックは本当に様々な競技があります。今回、オープンウォータースイミング(OWS)を初めて観ました。海で10キロ泳ぐ、水泳のマラソン的な競技ですが、これがなかなかいろいろすごい。日本選手も男女それぞれエントリーしていたことも知らなかったのですが、こちらも結果は男子は8位入賞です!

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    なんと今、OWSを観ていた高1女子と遭遇、盛り上がってしまいました。

JOAオリンピック小事典/日本オリンピック・アカデミー編著(メデイアパル)
 オリンピックやこれまでの各大会の歴史、競技の紹介、記憶に残る選手たち、など事典というよりは雑学的な読み物としても楽しめます。

オリンピック/千野帽子・編(KADOKAWA)
 オリンピックに関する新旧の多様な文学作品をあつめたアンソロジー。
東京五輪観戦記(三島由紀夫)は、1964年大会で多数書かれた観戦記から開会式、飛び込みや女子バレーなどが抜粋されています。古代ギリシャ趣味、宗教性、肉体の競演、国家間の戦い、オリンピックは三島の好む要素が凝縮されたイベントだったそうです。
 ハモニカ兎(小川洋子) ある街でオリンピックの一競技が行われるというのに、誰もそれがどういう競技なのかを知らず不安がつのるばかり。そこで役所が説明書を作りますが、それが一層不安を掻き立てることに。多分私たちがよく知る『あの競技』なのですが、書かれた文書を読むと確かに・・・。
 他にもオリンピックを誰も注目しなくなった世界で続く「大会」を描いた走る男(筒井康隆)沢木耕太郎、山際淳司のノンフィクションなど掲載。

 オリンピックの後にはパラリンピックが控えていますが、みなさんには新学期がひかえています。残り少ない今年の夏休み、思い残すことがないように!

2016年08月04日

直木賞受賞作

 第155回直木賞受賞作 海の見える理髪店/荻原浩(集英社)が届きました。
荻原さんは、5回のノミネートを経ての今回の受賞です。 

 荻原さんはこれまで、都会から山間の村の古民家に引っ越してきた一家が、その家に住みついていた座敷童と出会い、バラバラになっていた家族の絆を取り戻していく様子を描いた愛しの座敷童(朝日新聞出版)  引っ越し先の訳ありのアパートで、押し入れに住む少女(どうも幽霊らしい)と一緒に暮らすことになった若者の物語(結末にはちょっとしたどんでん返しが)押入れのちよ(新潮社) など、異世界の住人との関わりを少しユーモラスにほっこり描いたものや、若年性認知症を克明に描いた明日の記憶(光文社) など様々な作品で知られています。
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 受賞作は6つの作品による短編集です。表題作「海の見える理髪店」は、店主が一人で営む海辺の小さな町の理髪店が舞台。一面に海が映る大きな鏡があるその店で、鏡越しに向き合った客である主人公に、これまでの波瀾に満ちた半生を語る店主のやり取りが描かれています。

 他にも、仕事人間の夫に愛想を尽かして実家に戻った妻のもとに届いた不思議なメール「遠くから来た手紙」、一人娘を15歳で失った夫婦が、成人式を前に娘あての着物カタログが届けられたことをきっかけに突拍子もない事を思いつく「成人式」など、家族をテーマにした物語が集められています。