12月20日、森信雄七段に来ていただき、ご指導を賜りました。森先生は、将棋好きならほとんどの方がご存じかと思います。波瀾万丈な将棋人生を送られ、去年にプロを引退されました。ですが、引退前から今も将棋普及に熱心に活動されています。本校でも数年前から定期的に指導をお願いしており、生徒たちにとっても大きな刺激になっています。

偉大な方を前にして私も毎回少し緊張するのですが、先生のご指導をそばで見ていると気づくことがあります。

先生は相手の力や年齢に応じて指導してくださるのです。当たり前のように思われるかもしれませんが、これが案外難しいと私は思います。数々の対局、研究、ヤマを越えてきた先生であれば、多くのことが見えていると思います。「こんなこともわからないのか、できないのか」と感じることもあるかもしれません。しかし先生はいつも嫌な顔一つせず、基本的なことであっても丁寧に指導されます。中級者には中級者の実力にあわせて、上級者には応用も、それぞれ的確な指導をされます。

森先生といえば弟子が多いことでも有名です。

糸谷哲郎八段や山崎隆之八段、女流では谷口由紀女流二段など多くのプロ棋士を輩出しています。人のもとに人が集まるには必ず理由があるはずだと思うのです。

森先生、本年度もありがとうございました。