進路の部屋
人生を豊かにするために~受験体験記①
2023/06/02
このブログでは、今回から65期生の受験体験記を定期的に掲載していきます。第1回の今日は東京大学に合格した先輩の体験記です。
とにかく早くこの文章を皆さんに読んでほしい。そう思い、第1回の体験記として掲載します。東京大学は大学受験の最難関です。しかし、最難関に合格した先輩の体験記だから読んでほしいのではありません。「東大に合格した人と自分は違う」なんて思わないでください。全員に今すぐ読んでほしいのです。読んでもらえばわかると思います。
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進学先;東京大学 文科3類 文理探究コース・文系
僕は文学部に進みたくて東京大学文科三類を志望しました。文学部は感性が必要とか就職が厳しいとかのイメージで自分にはありえないという方も多いのではと思われます。僕も最初は何となく就活で強そうだから法学部に行きたかったのですが、英語や古典で習う文法がおもしろかったので高2の夏頃に言語学を学べる文学部に志望を変えました。学ぶことは人生を豊かにすることで、大学はそのためにあり、だからこそ自分が好きで学びたいことを学ぶのが理想だと信じてやみません。就職のことで学部を決めるのはこれからの長い人生を想像すると、さびしい。高校生は自分の興味関心を第一優先に志望を決めてほしいです。
さて、それにしても自分が合格したことは信じられないことで、未だに本当は合格してないんじゃないかと思うことがあるほどです。思い返すと僕の受験は様々に「運」に恵まれていたと感じます。受験は結局、広い意味で「運」だと受験が終わってしみじみ思います。あの先生やあの人に出会ったから…、あの文章に出会ったから…、あの時あの問題に出会ったから…、そんなことばかりで、僕はそれらの出会いに感謝することしかできません。僕は運が良かったから何とかなっただけで、能力は一緒なのにほんの少しの食い違いで合格を逃した人も受験のシステム上大勢います。そういったことを思うと謙虚でなければならないと感じます。というわけで受験が運である以上、僕個人の成功体験をつづったとしてもそれは偶然うまくいったに過ぎないという考えのもと、残りは後輩の方たちへできるだけ一般的なアドバイス(自分で考えたものより僕が他人から実際に聞いたものが多い)を主に学習面でいくつか挙げておきます。
一つ目は「素直かつ頑固であること」です。先生方には知識も経験も豊富なプロフェッショナルが多いので一度は素直にそのおっしゃることを聞くとよいです。一方で、すべてを無批判に受け入れるのも危険。よって自分が信じ切れる人のアドバイスを積極的に採り入れるとよいと考えます。とにかく他人の意見を無下にしないことは重要です。でも他人の意見であれ自分の考えであれ自分で本当に正しいと思えることをするのも重要です。信念を持つ人が真剣になれます。
二つ目は「必要なことを必要なだけやること」です。受験生になると1年という時間制限の下、残念ながらあれもこれもはできません。従って、参考書を始めるにしても、講習をとるにしても、今の自分の向上、目標の達成に本当に必要か、またはそのメリット/デメリットやコスパを慎重に考え、見極めなければなりません。加えて自分で必要と思えることをするのは気持ちが乗っているので、より効果があります。
三つ目は「無理しないこと」です。勉強していると精神的体力的にしんどいことが当然ありますが、そうなったらさっさと勉強をやめて休憩するべきということです。なぜなら「つらい」とか「やらされている」という感情のままでは学力向上に繋がらないからです。
四つ目は「好きになること」です。好きこそものの上手なれ、という言葉があります。好きだったり楽しいと思えたりすればあまり苦にせずに勉強を続けられます。しかし、どんなことも楽しいと思うのは難しいのが実情です。でも精神論みたいですが、退屈なことも「なんか楽しい!興味あるような気がする!」と思うようにすればそのうち本当に楽しいと思えるようになります。あるいは、これは体験談ですが僕はやはり数学が苦手でしたが、ネットで数学を扱うブログや動画を見ていたら何となく興味が出たし、センスや思考法も少し獲得できたことが実際にあります。勉強は好きでやってる人が一番強いので好きになる努力をしてみてください。
以上、アドバイスを思い付く限りつづってみました。受験を成功させるにはもちろんたくさん頑張らないといけませんし、色々運も必要ですが、正直生まれ持った才能も必須です。でも、この雲雀丘学園で学べていることはその才能(ポテンシャル)が十分にあることを何より実証しています。雲雀の人はちゃんとやればどこまでも行ける素質があるからそれをほっとくのはとってももったいないと思います。あとは頑張りや、そのやり方や心の持ちよう次第。後輩の方たちが努力されて合格を勝ち取れることを卒業生として願います。幸あれ!
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明快でわかりやすい表現、読んで心地いいリズム、そして彼の人となりが伝わってくる本物の名文だと思います。書いてくれたものは、雲雀丘に通うすべての生徒の皆さんに共通するアドバイスです。
本当に大切なことは、特別なことではないのです。
すべての受験体験記は「でんしんろ」で読むことができます。あなたの背中を押してくれる言葉がきっと見つかるはずです。