進路の部屋
探究プロジェクト「白川郷の自然と文化」
2026/03/11
探究プロジェクト「白川郷の自然と文化」を実施しました。
訪問先であるトヨタ白川郷自然學校は、「環境保全と自然共生社会の構築に向けた取組み」を進めるトヨタ自動車が、合掌家屋の維持と生活の難しさから元々の住民の方が離れることになった岐阜県白川村馬狩地区に、白川村や環境NGOの協力を得て環境保全と自然体験教育を目的に設立した施設です。
敷地内には馬狩地区にあった合掌家屋が移築されて維持・保存されており、またすぐ近くに広がる自然学校の森は、国立公園白山の麓にあたることから、天然記念物のカモシカをはじめ、リスやシカなど、野生動物が生息しています。
実際のプログラムを担当されるインタープリターの方と昨年度末より打合せをはじめ、今年度冬より参加者を募って、インタープリターさんとも連携して事前学習を重ねてきました。
1日目は、まずは豪雪体験と称し、日本海型気候の湿雪を体験しました。
3分間で縦や横に穴を掘り、その重さをゲーム形式で体験したり、ブロック体を作ってアーチ状の構造物を作るチーム作業を行いました。
きれいな長方形に作った雪のブロックを丁寧に積み重ね、最後にくさび形のブロックをはめ込んで自立させる、レンガ造りの橋にも使われている技術を使って作りました。
合間に雪合戦もして、盛り上がっていました。
夜は灯りのない森を散策するナイトハイクを行いました。暗闇のため不安げにしていた生徒たちも、徐々に目も慣れ、星の輝きに感動したり、川のながれる音に耳を傾けてみたりと、非日常の空間を堪能していました。
2日目は文化班と自然班に分かれ、活動をしました。
午前中はどちらの班も森へ出かけました。
文化班は森での合掌家屋の材料や食料の調達方法を学んだり、伝統的な生活用品(かごやひもなど)の作り方を学びました。わらで編んだ袋に石を詰めて紐部分を長めに作った道具と笛で猛禽類を模し、野ウサギを木の根部分に追い込んで捕る伝統的な狩猟方法も道具と共に森の中で見せてもらい、現地の生活について理解を深めたりしました。
豪雪のため毎年曲がるか折れるかする森の木たちの生命力、育ち方も間近で見ながら知ることができました。
自然班は野生動物の足跡や木の枝についた爪痕、また体長からうかがえる餌となる植物の観察など、それぞれのテーマに合わせて森での学習を進め、センサーカメラの使い方の説明を受けたり事前準備をしたりしました。
午後は、文化班は車で約10分の白川郷荻町を訪問し、民家園さんで合掌造りの内部を見せて頂きながら建物の構造や村での伝統的な暮らし、また問題になっているオーバーツーリズム対策、工夫、茅葺き家屋維持の資金面の問題について村民の方から伺いました。
自然班は午前中に各チームでたてた調査計画に基づき、センサーカメラを仕掛けるチーム、木の芽の数を全て地道に数えてデータを揃えるチーム、各々じっくり取り組みました。
-10℃~+10℃の寒い環境下でしか繁殖・活動しないセッケイカワゲラの実物を見ることにもほとんどの自然班生徒が成功したようです。
夜は、自然班はインタープリターさんによるネイチャートーク、文化班は観光業に従事されている村民の方をゲストにお招きし、生徒の質問を基本とするゲストトークを行いました。
3日目は、各班各グループごとに前日までの調査結果を整理しまとめ、最終ポスター形式でまとめる今回の探究の中間発表を兼ねた交流会を行いました。
現地まで約5時間の移動、到着後は朝から晩まで活動するハードなスケジュールでしたが、美味しい食事と温泉でチャージしつつ、体調不良者や怪我人を出すこともなく、無事全ての現地調査を終えることができました。
ナイトハイクや村民インタビューなど、個人旅行では難しいことができたこと、雪の量に驚いたこと、本物の野生動物を見られたこと・・・それぞれが参加してみて、想定していたよりも発見したこと、気付いたこと、得られたことがあったという感想をもらっており、担当教員としてこんなに嬉しいことはありません。
これをきっかけに、興味を広げたり、深めたり、新たな興味を持ったり、どんどんしてほしいと思います。
