校長通信
EU 第72号
2021/11/11
グローバル探究部で「EUがあなたの学校にやってくる」に応募し、見事来ていただけることに。生徒に募集をかけたところ、たくさんの手があがりました。
来校されたのは、ハンガリー大使館シェプレーニ・ガーボル参事官です。日本語もお上手ですが、英語でわかりやすくEU組織や日本との関係について説明していただきました。
事前学習の成果もあると思われますが、質問コーナーでは、多くの生徒が積極的に英語、日本語、臆することなく質問をぶつけていました。「英国EU離脱後のハンガリーへの影響」「環境問題における日本対応に対する考え」「ハンガリーのEU加盟後の文化的変化」「ハンガリーのおすすめ料理」などなど参事官からは最初に「悪い質問はない」というお言葉をいただいておりましたが、会の終了後、参事官からいい質問が多く、勉強になったとの感想をいただきました。私も同感でした。
私は地理を担当しておりましたので、EU,ハンガリーについて少し記しておきましょう。
シェプレーニ参事官からも説明のあったとおり、EUの始まりは石炭と鉄鋼を共同管理するECSCが起源です。歴史的にドイツとフランスは鉄鉱石や石炭を巡って戦争を繰り返してきました。高校生はどのエリアのことか地図帳で確認しましょう。
ECから拡大ECそしてEUになり、条約を発効して、国境をなくし、通貨を統合し、1つの共同体を目指しています。過去戦争を行ってきた地域が民族や格差・利害を越えて平和を目指す大きな実験とも言われます。ヨーロッパの民族と宗教は地図帳で確認しておきましょう。今後、イスラム教国を加盟国にできるのか?これも課題の1つです。受験では条約名も出題されていますね。
統一通貨ユーロの利点も説明がありましたが、ユーロに参加しない国にはそれぞれの事情があります。また、域内の地域格差の存在があり、農業補助金や国別拠出金と予算配分の差の問題がおきています。
ハンガリーは、私も行ってみたい国の一つです。アジア系マジャル人が多数民族。東部ハンガリー盆地はプスタと呼ばれる農業地域。東欧では高い生活水準。首都ブダペストにはドナウ川が流れ、西岸がブダ、東岸がペスト。世界で2番目に地下鉄が建設されたことでも有名。